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プロ・ゲーマーの世界の知られざる5つの事実

2014年04月23日 21時34分更新

文● Taylor Hatmaker via ReadWrite

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かつてはダサイと言われたビデオゲームだが、ショーアップされたゲームは今「eスポーツ」と呼ばれ、次なるブームと目されている。

eSports

「プロフェッショナルゲーム」という言葉に矛盾を感じたのは、もう遠い昔。かつては孤独な遊びとされていたビデオゲームだが、多人数参加型のオンラインPCゲームの台頭によって、今では機能満載の社交的な遊びに進化している。

「eスポーツ」として知られるプロフェッショナルゲームの世界は、独特な世界観で成り立っている。独自の慣習や言語が存在し、部外者や(マリオカートのようなゲームを気楽に楽しむだけの)カジュアルゲーマーにとっては、全くの別世界だ。その世界を垣間見てみよう。


1.視聴数が多い

プロゲームの大手配信プラットフォームである「Twitch」では、個人ゲーマーが投稿するチャンネルと、主要なゲーム大会の両方を放送している。同社の戦略は、ゲームを簡単に視聴でき、視聴者が病みつきになるようなサービスを提供することである。視聴できるビデオゲームは膨大な数にのぼり、ソーシャル機能とストリーミングビデオをうまく融合させたTwitchは、同じようにこの2つを融合させて膨大な視聴数を誇るYouTubeの方式に似ている。

Twitchのユーザーは、他のゲーマー達が激しく対戦しているのを眺めたり、実況したり、自分たちがゲームをする様子を録画したりできる。よくあるネット上のバイラルビデオとは違い、Twitchでの平均視聴時間は28分である。ホームコメディの正味時間よりも長いのだ。2013年には、58%のTwitchユーザーが1週間に20時間以上視聴しており、平均ゲーム視聴時間は、1日につき106分であった。

eSports

「League of Legends」のプレイ画面


2.ゲームをしてお金持ちになれる

プロゲームの世界でお金を稼ぐ方法は2つある。1つ目は、自分のゲームプレイによって集まった多額の広告費の一部をもらう方法。まずはパートナープログラムに参加し、大勢のオンライン視聴数を獲得する必要がある。YouTubeやTwitch、MajorLeagueGamingなどのサービスは、人気のあるスター・ゲーマーを抱えている。例えば、2013年にRedditに掲載された記事によると、Towellieeというハンドル名で知られるTwitchパートナーのロベルト・ガルシアは、高額の賞金がかかっているプロゲームに参加しているわけでもないのに、年間およそ9万6千ドルを稼いでいるという。

ゲームで生計を立てる2つ目の方法は、驚くほどに華やかなトーナメント方式のゲーム大会だ。主要なeスポーツの大会では、勝者は莫大な賞金を得ることができる。先月行われた「Call of Duty」のチャンピオンシップでは総額100万ドルの賞金が上位チームに分配され、優勝チームのCompLexityは40万ドルを獲得した。プロゲームの最高峰の大会では、200万や300万ドルの賞金が当たり前なのだ。


3. Eスポーツ、それはまるで本物のスポーツ

熱狂的なファン、食うか食われるかの対戦、チーム内のライバル関係などプロゲームの対戦には、「本物」のスポーツとの共通点が多々ある。eスポーツにおいてエリートの優勝候補になるには、NFLやフィギュアスケートのアスリート達のような、集中的な練習が必要とされるのである。

幅広いジャンルの多人数参加型オンラインゲームを提供しているサイトは、以下のようにアドバイスしている。

「『League of Legends』においてエキスパートに近づける唯一の方法は、練習あるのみだ。1日に1、2回プレイするくらいでは、プロプレイヤーまでの道は遠い」。

特定のゲームの専門用語やキャラクターの種類、動き、戦略などを習得するのは、それだけでも大変な作業なのだ。

eスポーツでは運動競技のようにスタジアムが満席になることもあり得る。昨年の「League of Legends」チャンピオンシップでは、ロサンジェルスのステープルセンターの1万3千席が完売したのだ。さらに何億人もの人々が、オンラインでのライブ中継を観戦していた。

eSports

ドータ2

4.ゲームの難易度がとてつもなく高い

プロゲームの中で最も人気があり(かつ最も収益性の高い)競争力のあるタイトルの多くは、どこまでも複雑であり、新しいプレイヤーに対して挑戦的でさえある。多人数参加型オンライン・バトル・アリーナゲーム(通称「MOBA」)である「ドータ2」は、平均的なレベルのハードコア・ゲーマーでは手が出せないほど、高度なテクニックを必要とすることで有名だ。

「ドータ2」の熟練プレイヤーであるケヴィン“パージ”ゴデックは、自分のチャンネルにゲームの指導セッションを投稿している。また、自身のサイトで1万6百語に及ぶビギナーへの手引書を提供しており、そのサイトには「Welcome to Dota, You Suck(ドータへようこそ、ヘタクソが)」という絶妙なタイトルが付けられている。高度な戦略的eスポーツの中心的存在である「League of Legends」の上達に関しては、「あるスキルに到達するには1万時間の練習が必要である」というマルコム・グラッドウェルの法則が当てはまるかもしれない。


5.韓国がプロゲーム世界を制する

米国は、競争と名のつくものには全て勝ちたがるだろうが、プロフェッショナルゲームにおける無敵のキングは韓国である。韓国の優勢には様々な理由が存在するが、そのひとつに超高速インターネット接続へのアクセス普及が挙げられる。ほんの一瞬のタイミングが大きな差を生むオンライゲームには欠かせない条件だ。韓国のインターネットは世界最速(米国は8位)であり、さらに早くなる傾向さえ見せている。

高速接続の普及は、eスポーツの勝者が有名人になるという文化に一役買っていると言っていいだろう。国別のリーダーボード(スコア順にプレーヤーを掲示した表)では、賞金合計額17.6億ドルを獲得した韓国が全世界の首位に立っており、彼らは「スタークラフト」等のゲームで500万ドル以上を稼いだ、世界で最も成功したプレイヤーであるジェ・ドン・リーを誇りにしている。欧米市場ではコンソールゲームが主流となってきたことにより、PCゲームは一時落ち着きを見せたが、アジアでは繁栄し続けたのである。

eSports

対抗意識を煽るゲームは、普段全く違う生活を送っている他人同士を瞬時に結び付け、今や世界規模の現象となっている。プロゲームはここ数年、米国において順調に伸び続けており、その人気は一向に衰えを見せていないのである。

トップ画像(「 League of Legends」のシーズン2 世界選手権の様子)提供:artubr(Flickr より)

※本記事はReadWrite Japanからの転載です。転載元はこちら


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