日立製作所は4月21日、中国・広州市に建築中の高層複合ビル「広州周大福金融中心」に、世界最高速を謳う分速1200m(時速72km)の超高速エレベーターを納入すると発表した。
納入するエレベーターは、地上1階から95階までの昇降工程440mを約43秒で到達するという。またブレーキ装置に耐熱性に優れた制動材を採用し、走行中に万一エレベーターに異常を検知した場合、安全に停止させられるとしている。
ガードレールの歪みや風圧による横揺れを検出する、振動を減衰可能なアクティブガイドローラーをエレベーターのかごの上下/左右の4箇所に設置。これにより、高速走行においても快適な乗り心地が提供できるという。また、気圧の変化に緩急をつけて耳閉感を緩和する同社独自の気圧制御方式を開発し、エレベーターに用いている。
広州周大福金融中心は、中国・広州市内で最高層のビル(地上111階、地下5階、地上高530m)で、オフィスやホテル、住宅などからなる高級複合施設。2016年に全面開業を目指して建築が進められている。同社は分速1200mのエレベーターを2台納入するほか、28台のダブルデッキエレベーターや分速600mのエレベーターなど合計95台を納入予定だ。