よく使うデザインテクニックを集約、分類することで
短時間で質の高いデザインパーツを作る
デザイン初心者が困るのは、パーツのデザインだ。この部分にポイントとなるデザインを施せば全体が引き締まるという場合があるが、そのための手法が分からない。もちろん、全体から見れば重要度は低いので時間を割くわけにはいかない。
そんな時は、図形に対してスタイルや効果を変更するという機能がある。例えば、写真を貼りこんだ時に、影をつけると平板な印象を払拭することができる。写真の透明度を上げて、文章の背景にするということも可能だ。また、箇条書きの部分で、頭に置く番号をテキストではなく、グラフィックスに変えるだけで、たんなる説明ではなく箇条書きであることを印象づけることができる。図形に対する効果としては、 他にも「反射」「光彩」「面取り」「3D回転」という装飾機能もある。
これらの機能は、図形については、[書式設定]タブの[図形スタイル]を利用する。また、写真は[図の書式設定]にある[画像のスタイル]を利用するといいだろう。ここには、画像の調整機能もある。写真のコントラストや明るさ、色調を変えたり、ぼかしなどアート効果を与えたりすることもできる。トリミングも可能だ。別途、写真加工ソフトを用意しなくてもWordの中で写真の加工ができる。
チャート作成も、「SmartArt」を利用すれば
データ編集と簡単な修正だけでいい
他に、よく使う機能としては表やグラフの挿入がある。ビジネス文書を作る人には、おなじみだろう。表に関しては、テンプレートが用意されているので、無味乾燥な表のデザインも一瞬でメリハリのあるデザインに切り替わる。また、グラフも様々な形式が用意されているので、いろんなデータに対応する。この機能のメリットは、データの編集をExcelで行うことだ。Excelの優れたデータ処理機能を使うことができ、Wordとスムーズに連動する。これは、ビジネスソフトとしてのOfficeの強みだ。
ここでは、さらに「SmartArt」という機能を紹介しよう。デザインをしていると、登録の手順や組織図などで分かりやすいチャートが必要になることがある。このようなチャートを1から作成するのは大変だ。「SmartArt」は、そんな場合に文字や数字といったテキスト情報を入力するだけで、チャートを作ってくれるという便利な機能だ。
チャートは、「リスト」「手順」「循環」「階層構造」「集合関係」「図」「その他」というカテゴリーがあり、それぞれにいろんなパターンのチャートがあらかじめ用意されている。その中から、該当するものを選びテキストを入力するだけだ。チャートは、大きさや位置を変えられるのはもちろん、中で使用されているグラフィックスのデザインを変更したり、パーツの数を増減させたりするなどの編集が可能だ。内容に則したチャートを作るのにそれほど時間はかからない。
Wordのデザイン機能は、付加的なものではなく、プロ用のデザインツールとしても十分使えるものだ。また、デザイン知識や技能がない初心者が短い時間で質の高いデザイン文書を作るための配慮が行き届いている。ぜひ、活用してほしい。
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