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アンダーグラウンドセキュリティー特別版

千の目を持つグーグル、ドローンも手に入れる

2014年04月19日 07時00分更新

サイバーミステリー小説家・一田和樹(Kazuki Ichida)

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 グーグルは4月14日、「Atmospheric satellite」の技術を持つ米タイタン・エアロスペースを買収したと発表。Atmospheric satelliteとは、高高度を飛行するドローンである。グーグルは、ドローンを使って地上の映像を撮影するという。

Titan Aerospace
タイタン・エアロスペースのドローンは太陽光で飛行する。

 グーグルはすでに、全世界をカバーする測位システムや独自のインターネットサービス、地図サービス、映像サービスを保有している。

 GPS機能を搭載していない端末でもグーグルのマップ上には利用者の現在位置が表示される。無線LANを使った独自の測位システムのたまものである。北米では高速インターネットプロバイダー事業を進めると同時に、全世界を網羅する気球を使ったインターネットサービスに本気で取り組んでいる。全世界の地図情報を持ち、位置に対応した画像、ストリートビューやグーグルアースも提供している。今回、高高度からの地上を撮影した映像が加わることにより、全世界をカバーするグーグルの「目」はより網羅性を増し、精度が高くなった。

 大げさではなく、グーグルは並みの国家以上の監視システムを保有しているのではないかと勘ぐってしまう。米国ではドローンを利用した監視活動に懸念の声があがっている。グーグルならスマホ(みなさんが使っているアンドロイド端末がグーグルの目となり耳となります)やタブレットの測位システムを使って、個人の位置を特定できる。ドローンの映像が高解像度であれば、位置を特定した個人の映像をリアルタイムで撮影することも可能だ。それどころか、定点観測的に全世界の画像と個人の位置情報などのログを記録することすら不可能ではない。米国国家安全保障局も顔負けの監視システムだ。 GmailやGoogle+などのサービスと合わせて考えると、グーグルはわれわれの生活の全てを見ていることになる。

 一つ一つの物事だけでなく、一連の出来事として捉えてみると違う姿が見えてくることがある。これまでのグーグルで気になる動きをあげてみると下記のようになる。

2004年4月 地図や地域情報、ルート検索などのグーグルローカル(のちのマップ)をリリース。
2004年10月 グーグル・ルナ・エックスプライズで、民間の有人宇宙飛行に成功する。
2005年2月 マップをリリース。世界中の地図情報を掌握に踏み出す。
2007年5月 ストリートビューを公開。世界各地を専用車両で撮影し、地図情報に画像を連動させる。
2008年 元グーグル社員が中心となって人口島に独立国家を作るプロジェクトがスタート。
2012年5月 自走式自動車の試験運転が全米の公道で許可される。
2013年6月 インターネット計画「プロジェクトルーン」を発表する。
2013年12月 軍事用ロボット企業「ボストンダイナミックス」を買収する。

 われわれが暮らしている世界は、すでにモノからの情報で支えられている。莫大な情報を集約し、使いこなせる者が勝者になる。

ならば、情報世界の覇者は、グーグルなのではないだろうか?

「アンダーグラウンドセキュリティー 1」(Kindle版の価格は100円)

 時には違う角度で情報をながめてみたいものだ。現在、発売中の『アンダーグラウンドセキュリティー 1』は、情報世界の違う見方も提示している。


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