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ぶつからない車 VS 故障しない車

2014年04月12日 07時00分更新

文● 澁野義一(Giichi Shibuno)/アスキークラウド編集部

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 スバル(富士重工業)が絶好調だ。2014年3月期は販売台数・連結売上高・営業利益ともに過去最高を見込んでいる。同社代表取締役の吉永泰之社長は、その要因の一つに「安全基準が異様に高い」ことがあったと述べている。

 象徴的なのは「ぶつからない?クルマ」というキャッチコピーで一躍有名になった運転支援システム「アイサイト」。運転席上部にステレオカメラを備え、前方を立体的に把握。危険を察知すると自動でブレーキがかかる仕組みだ。

スバルの「アイサイト」

 同社はアイサイトの仕組みを発展させ、自動運転を目指すとしている。人工知能を使い、人の手を介さない完全自動運転を目指すグーグルとはアプローチが異なるが、自動車の未来を予見させる技術であることは間違いない。

 一方、「故障を減らす」という意味で安全な車も登場している。日産の電気自動車「リーフ」は位置情報やバッテリーの状態、走行距離といった運転データを内蔵の通信回線を使って日産のデータセンターに送り、不具合の発見に役立てている。

日産「リーフ」

 同社は2013年5月から、リーフの運転データを損保ジャパンの新自動車保険向けに提供。保険料金の設定に用いられているという。

 このような試みはリーフが先行している状態だが、近いうちに自宅の車からも気軽に運転データを取れるようになるかもしれない

 ベンチャー企業のカートモは、車の検査用端子に取り付けて、アクセルやブレーキの操作や走行距離、位置情報といったデータをブルートゥース経由でスマホに送信できる端末を開発した。

 報道によると、端末の価格は未定だが1万5000円程度になる予定。車の情報が可視化されれば、そこに新たなビジネスの可能性も広がっているはずだ


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