「より多くのブランド様や商業施設様にWEARを安心してご利用いただくために、バーコードスキャン機能を中止することにしました」
ファッションEC「ゾゾタウン」を運営する、スタートトゥディ代表取締役の前澤友作氏はそうコメントした。パルコ店頭で実施していたプロモーションも、4月30日で終了という。
「WEAR」は2013年10月末に登場したファッション系アプリ。自分のコーディネートを投稿したり、気に入った服を購入したりできる。だが、一番の目玉は「バーコードスキャン機能」だった。
「店舗のバーコードをスキャンしてネットECにつながる導線を作る。いわば『リアル店舗をすべてショールーミング化するツール』だ」とファッションECサイト関係者は話す。
O2Oを加速させ、利用者の利便性を向上させる側面もあるが、「(店頭に服を出している)百貨店などにカネが落ちないので、敵視する意見があったのも事実。賛否両論だった」(ファッションECサイト関係者)と明かす。
バーコードスキャン機能の中止は、WEARがコーディネートを共有するファッション系SNSへ完全にシフトしたことを示している。事実、WEARのコーディネートは1日1万件以上も投稿され、リリースから5カ月で200万ダウンロードを達成している。
とはいえ、WEARがファッション系SNSとして成功するかどうかは未知数だ。「自分のコーディネートを晒す文化は、日本人に馴染まないのでは」と、有名セレクトショップの関係者は疑問を投げかける。
「自信満々で写真を撮っても『うわぁダサ』とコメントされたら、やっぱりショックじゃないですか。どちらかと言えば、店員のコーディネートに『いいね!』するといった、評価の側に回りたいのではないか」(有名セレクトショップ関係者)
日本にファッション系SNSが根付くかどうか。WEARがその試金石になるのかもしれない。