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賛否両論「WEAR」はSNSとして成功するか?

2014年04月12日 16時00分更新

文● 澁野義一(Giichi Shibuno)/アスキークラウド編集部

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「より多くのブランド様や商業施設様にWEARを安心してご利用いただくために、バーコードスキャン機能を中止することにしました」

 ファッションEC「ゾゾタウン」を運営する、スタートトゥディ代表取締役の前澤友作氏はそうコメントした。パルコ店頭で実施していたプロモーションも、4月30日で終了という。

WEARのインターフェース

「WEAR」は2013年10月末に登場したファッション系アプリ。自分のコーディネートを投稿したり、気に入った服を購入したりできる。だが、一番の目玉は「バーコードスキャン機能」だった。

「店舗のバーコードをスキャンしてネットECにつながる導線を作る。いわば『リアル店舗をすべてショールーミング化するツール』だ」とファッションECサイト関係者は話す。

 O2Oを加速させ、利用者の利便性を向上させる側面もあるが、「(店頭に服を出している)百貨店などにカネが落ちないので、敵視する意見があったのも事実。賛否両論だった」(ファッションECサイト関係者)と明かす。

 バーコードスキャン機能の中止は、WEARがコーディネートを共有するファッション系SNSへ完全にシフトしたことを示している。事実、WEARのコーディネートは1日1万件以上も投稿され、リリースから5カ月で200万ダウンロードを達成している。

 とはいえ、WEARがファッション系SNSとして成功するかどうかは未知数だ。「自分のコーディネートを晒す文化は、日本人に馴染まないのでは」と、有名セレクトショップの関係者は疑問を投げかける。

「自信満々で写真を撮っても『うわぁダサ』とコメントされたら、やっぱりショックじゃないですか。どちらかと言えば、店員のコーディネートに『いいね!』するといった、評価の側に回りたいのではないか」(有名セレクトショップ関係者)

 日本にファッション系SNSが根付くかどうか。WEARがその試金石になるのかもしれない。


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