MacのDSD再生は有料のプレーヤーソフトが必要
一方、Macの場合は無料ソフトでのDSD再生はできない。App Storeで配信されている「BitPerfect」(1000円)と「DSD Master」(3000円)を組み合わせるという選択肢があるのだが、ファイル管理にiTunesを用意する必要があり、さらにWAVファイルにDSDを埋め込むという手間もかかる。
単体でファイル管理やDSDのネイティブ再生が可能な「Audirvana Plus」を使うのがおすすめだ。
Audirvana Plusはインストール直後からハイレゾやDSD音源の再生が可能。しかし、初期状態のままでは、PCM変換での出力が基本となるため、DSDのネイティブ再生ができない。また、Audirvana PlusではDSD over PCM(DoP)での出力を行なうことが可能。
DoPとは、ASIOなど専用のサウンドドライバー経由でなければ出力できないDSDを、PCMとして扱えるような形式に変えてDACまで伝送する方式。
名称からPCMにリサンプリングすることを連想させるが、情報自体はDSDのまま、データ上の見た目をPCMに変えて(騙して)伝送し、DAC上でDSDに戻す。そのため、DoP対応のDACであればネイティブ再生が行なえるため、幅広い機器で利用できる。
Audivana Plusの設定は、それほど難しくない。Audivana Preferenceパネルを開き、「Audio System」タブから任意のUSB DACを選択。そして、「DSD over PCM standard 1.0」を選択することで、以後はDSDのネイティブ再生が行なえるようになる。
もはやハイレゾ再生環境は身近なものに!
以上、3回にわたってPC中心のオーディオ環境の構築について解説したが、1年前と比べてもその環境や製品の充実度など、かなり様変わりした印象。成長著しいとはこのような状態を言うのだろう。
そして、ハードウェアの調整や、ソフトウェアの設定でも音が変化することがあるなど、いじり甲斐がある分野だ。
これからPCオーディオをはじめるという方はもちろん、ステップアップを目指す方も、存分に楽しんでいただければと思う。
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