このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

T教授の「戦略的衝動買い」 第289回

最後のチャンス!? レンジファインダーデジカメ「R-D1x」を衝動買い

2014年04月09日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

最も気に入った機能は4針式の表示装置

シャッターチャージを兼ねた“なんちゃってフィルム巻き上げレバー”。アナログカメラに親しんだ人なら撮影の微妙なタイミングと、次の撮影に移る節目のアクションになる

シャッターチャージを兼ねた“なんちゃってフィルム巻き上げレバー”。アナログカメラに親しんだ人なら撮影の微妙なタイミングと、次の撮影に移る節目のアクションになる

 フィルムカメラでもないのに、フィルム巻き上げレバーの形状を模した手動の「シャッターチャージ」や、フィルム巻き戻しツマミの形状をした機能設定用の「ジョグダイアル」などのギミックが満載。見ているだけでうれしくなってくる。

筆者が最も気に入ってしまった4針式の表示装置

筆者が最も気に入ってしまった4針式の表示装置

電源をオンすると、このように、撮影可能枚数(外周)や画像品質(3時位置)、ホワイトバランス(9時位置)、バッテリー残量(6時位置)で表示する

電源をオンすると、このように、撮影可能枚数(外周)や画像品質(3時位置)、ホワイトバランス(9時位置)、バッテリー残量(6時位置)で表示する



 中でも筆者の興味を強く惹きつけたのは、腕時計のメカを採用した表示機構。撮影可能枚数や画像品質、ホワイトバランス、バッテリー残量の4つの情報表示をアナログ腕時計の針を使って表示する画期的なものだ。

 デジタルカメラの多くの表示系が、限りなくコストの安いデジタル表示一辺倒になってしまいそうな時代に、この4針式表示機能は極めて遊び心のあるユーザーインターフェースだ。

じっくりと腰を落ち着けて長く使えるデジカメ

撮影サンプルその1

撮影サンプルその1

撮影サンプルその2

撮影サンプルその2

 フルサイズの撮影素子を搭載したデジタルカメラがけっこう安価な価格帯に登場してきた現代、今さらAPS-Cサイズ撮影素子を搭載したデジタルカメラを14万円前後という価格で購入することに関して意見は分かれるとは思う。

 しかし、R-D1xはただのデジタルカメラではない。過去のMマウントレンズを活かせるし、長く愛用して持つ喜びを十分に感じることのできる商品だ。

 R-D1xの保守サービスのために必要な補修用性能部品の保有期間は製造終了後7年だそうだ。なので少なく見積もっても、あと数年は楽しめる計算だ。筆者の過去の経験では、愛着を持って数年近く愛用できるデジタルカメラはそれほどなかった。

本家ライカは確実にレンズ沼のフチに立つことができる、所有する楽しみにあふれるカメラだが、さまざまなMマウントレンズが使えるR-D1xはそれより先行した世界初のレンジファインダー式デジタルカメラだ

本家ライカは確実にレンズ沼のフチに立つことができる、所有する楽しみにあふれるカメラであるが、さまざまなMマウントレンズが使えるR-D1xはそれより先行した世界初のレンジファインダー式デジタルカメラだ

 たとえ本体を安く売りさばいても、今後、このR-D1xの購入者は高額なライカMマウント系レンズを複数購入する有望な見込み客だ。そしていずれライカのデジタルカメラの購入基盤ともなるだろう。

 スマホとは世界を別にして、技術革新の峠を越したかに見えるデジタルカメラも今後は正念場だろう。

 二極分化とは言え、ローエンドデジカメはスマホに駆逐されるのか、そしてハイエンドカメラはどんなゴールを目指すのか……極めて興味深い。

 今頃になって“古き中に新しさを見た”筆者は、毎年のように単なるモデルチェンジだけを繰り返すデジカメの種類を少し減らしてでも、じっくりと腰を落ち着けて長く使えるR-D1xのようなデジタルカメラの再登場を心待ちにしたい思った。

■関連サイト

T教授

今回の衝動買い

アイテム:Epson Rangefinder Digital Camera R-D1x

価格:新宿マップカメラにて13万8000円で購入


T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン