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T教授の「戦略的衝動買い」 第288回

鉛筆がスタイラスに! ステッドラー「The Pencil」を衝動買い

2014年04月02日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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ファーバーカステルのパーフェクトペンシルに現代的な“機能プラス”を実現したステッドラーの「The Pencil」(手前)

ファーバーカステルのパーフェクトペンシルに現代的な“機能プラス”を実現したステッドラーの「The Pencil」(手前)

鉛筆にスタイラス機能をプラスした「The Pencil」

 ドイツのステッドラーは1662年に世界で最初に鉛筆を製造した会社だ。今では、後発のファーバーカステルと並んでドイツを代表する筆記具と製図用具のメーカーとなっている。そんな鉛筆界最古参のステッドラーがスマートフォンやタブレット用スタイラスの世界に新製品を送り込んできた。

 商品名はその名もズバリ「The Pencil」(ザ・ペンシル)。ステッドラーが最近発売した黒いウォペックス製法鉛筆3本と鉛筆補助軸がセットになったキット商品だ。

おしゃれな落ち着いたパッケージで販売されている「The Pencil」

おしゃれな落ち着いたパッケージで販売されている「The Pencil」

3本のウォペックス製法鉛筆と、鉛筆を使い込んで短くなった時に補助軸となる多機能キャップを同梱した……スマホ時代の“パーフェクト”を狙った商品だ

3本のウォペックス製法鉛筆と、鉛筆を使い込んで短くなった時に補助軸となる多機能キャップを同梱した……スマホ時代の“パーフェクト”を狙った商品だ

こういう風に並べてみると……誰もがファーバーカステルのパーフェクトペンシルの新製品かと思ってしまう

こういう風に並べてみると……誰もがファーバーカステルのパーフェクトペンシルの新製品かと思ってしまう

 鉛筆と鉛筆補助軸、鉛筆削り、消しゴムが一体となった鉛筆といえば、ファーバーカステルの「パーフェクトペンシル」があまりにも有名だが、The Pencilは、それに加えてスタイラスまでもを加えたパーフェクト+(プラス)鉛筆なのだ。

手前がステッドラー社の「The Pencil」奥4本が歴代のパーフェクトペンシル。おしりの消しゴムとスタイラスが大きな時代の変化を現わしているのだろうか

手前がステッドラーの「The Pencil」、奥4本が歴代のパーフェクトペンシル。おしりの消しゴムとスタイラスが大きな時代の変化を現わしているのだろうか

補助軸キャップを取り外すと、スタイラス部分以外は真っ黒けのけのウォペックス製法鉛筆がどことなく高級感を醸し出す

補助軸キャップを取り外すと、スタイラス部分以外は真っ黒けのウォペックス製法鉛筆がどことなく高級感を醸し出す

 The Pencilの鉛筆を一見すると、ごく普通の鉛筆のおしり辺に付いている消しゴムの位置にスマホやタブレットの画面操作用のスタイラスが取り付けられている。このスタイラス部分だけを鉛筆から取り外して使用することはできない。

鉛筆自体も独特の製法で作られている

ごく普通の鉛筆の重量はおおよそ4~5g近辺。ステッドラーも同じだ

ごく普通の鉛筆の重量はおおよそ4~5g近辺。ステッドラーも同じだ

ステッドラーが新しく開発したウォペックス製法鉛筆(手前)は新素材を積極的に用いた新製品。自然環境保護までをフォーカスしている。好みは分かれると思うが……

ステッドラーが新しく開発したウォペックス製法鉛筆(手前)は新素材を積極的に用いた新製品。自然環境保護までをフォーカスしている。好みは分かれると思うが……

 ウォペックス製法鉛筆は、一般的な鉛筆が重さ数g前後であるのに対して、2倍近い10g前後もある。これは、普通の鉛筆の工法とはまったく異なる素材、製法で作られているからでもある。

 普通の鉛筆は、鉛筆軸の直径の約半分の薄さの2枚の板を使い、黒鉛でできた芯をサンドイッチ構造にして細くカットする。

 これに対してウォペックス製法による鉛筆は、“押し出し成形”というまったく新しい製法を用いている。まず、木軸の素材に従来と同じ木と廃材のミックス原料を用いる。そして、細かなチップ状にした材料を、同じく練り状にした芯(黒鉛)、表面塗装の素材と組み合わせて専用の機械で細い棒状に一気に押し出して作り上げるのだ。

 実際にステッドラーより単品発売されているウォペックス鉛筆で筆記してみると、従来の鉛筆とは異なる――指に吸い付く多少ねっとりした表面感覚がある。鉛筆の芯の濃さはHBや2H、2Bなどの種類が提供されているが、実際に書いた文字や絵は普通の鉛筆ほど差を感じない。

2倍近い重量のウォペックス製法鉛筆。質量の高い材料を使った新製法ゆえ、筆記具としてのガッチリ感や手に吸い付くような感覚はある。それらがプラスかマイナスかは人の好みでまちまちだろう

2倍近い重量のウォペックス製法鉛筆。質量の高い材料を使った新製法ゆえ、筆記具としてのガッチリ感や手に吸い付くような感覚はある。それらがプラスかマイナスかは人の好みでまちまちだろう

少しショートサイズながら、同じウォペックス製法鉛筆なのでガッチリした7gのThe Pencil専用鉛筆

少しショートサイズながら、同じウォペックス製法鉛筆なのでガッチリした7gのThe Pencil専用鉛筆

 The Pencil専用鉛筆は同じウォペックス製法の鉛筆ではあるが、表面塗装処理の違いかそれほどしっとり感はなく、どちらかと言えば心もちサラサラしたイメージだ。筆圧の強い人には単体売りのウォペックス製法鉛筆のほうが、がっちりと握れて、しっかりと筆記できる感じはある。


「戦略的衝動買い」とは?

 そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。

 それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。

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