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フェイスブック、ペイパルも買収したMBaaSの重要性

2014年03月27日 07時00分更新

文● 澁野義一(Giichi Shibuno)/アスキークラウド編集部

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 インターネットの主戦場がワールド・ワイド・ウェブからスマホなどのアプリへ移ったとき、大きな違いは「通知」の考え方だ。ウェブの世界では情報は「取りに行く」ものだが、アプリの場合は情報が「プッシュされて届く」もの。ただしプッシュ通知を利用するには、アプリひとつひとつに手を入れ、機能を盛り込む必要があった。

 しかし、アプリビジネスは生き馬の目を抜く極端な競争環境。アプリ自体の本質とは言えないプッシュ通知の実装に時間がかかった結果、ライバルに出し抜かれてしまっては目も当てられない。

 そこで近年、注目を浴びているのが「MBaaS」だ。「Mobile Backend as a Service」の略で、プッシュ通知のみならずユーザーやデータの管理といったサービスをアプリから切り出して、サーバー側で処理する。複数のアプリに同じ機能を実装しなくても済むので、開発時間を短縮できるわけだ。

 2013年、フェイスブックはMBaaSプロバイダーの米パース社を買収。マーク・ザッカーバーグは同年9月に開催された「デベロッパー・デイ」で、「フェイスブックを作ったころに、このサービスがあればよかった」と発言している。またペイパルも同年12月にMBaaSプロバイダー米スタックモブ社を買収しており、アプリビジネスにおけるMBaaSの重要性がうかがい知れる。

 MBaaSはネットからアプリへという流れの中で生まれた新しいビジネス。日本でもニフティの「ニフティクラウド モバイルバックエンド」(以下、mBaaS)などが登場している。同社クラウド事業部の高野祥幸課長は「2〜3年前は『使える人だけ使う』ツールだったが、昨今は開発者の裾野が広がりニーズも高まっている」と話す。

mBaaS

ニフティのmBaaS紹介ページ

 ニフティのmBaaSはゲームアプリに使われることが多いが、最近は企業向け業務アプリも増えているという。「特にプッシュ通知は引き合いが多い。外回りの営業にプッシュ通知を送り、それをトリガーに社内イントラに入ったり、GPSで位置を特定し、付近にいるスタッフに応援要請をプッシュ通知したりするなど、色々な使い方が考えられる」(高野課長)。

 ツールが変われば、働き方も変わる。発売中の「アスキークラウド5月号」では、アプリが生み出す新しいネットの世界を描いている。


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