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ツイッターを使えば選挙に勝てる! ……かも

2014年03月19日 16時00分更新

文● 澁野義一(Giichi Shibuno)/アスキークラウド編集部

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 猪瀬直樹元知事の辞職に端を発した東京都知事選挙から、早1カ月。もはや話題に上ることが少なくなってきたが、ネット選挙解禁後初の都知事選ということで、記憶に値する選挙戦だった

 例えばウェブキャンペーン「ASK TOKYO 2014」では、ツイッターで都知事選候補者に直接質問できる「#都知事候補だけど質問ある?」というイベントを実施。実施期間は2月4日の21時〜22時の間という短い時間だったが、参加した4名の候補から計109の回答が寄せられた。日本でも、ネットで候補者と有権者がつながるための第一歩が刻まれたのだ。

 すでに米国では、ツイッターは選挙戦において重要なツールになっている。ITサービスベンダー大手パイプドビッツ オープンデータ推進事業部の市ノ澤 充事業部長は、2012年の米マサチューセッツ州上院議員選挙を例に挙げる。

パイプドビッツの市ノ澤事業部長。2014年2月の情報処理学会主催「ソフトウェア ジャパン2014」講演にて。

 民主党のエリザベス・ウォレン候補と共和党のスコット・ブラウン候補が争ったこの選挙。当初、ツイート数もフォロワー数もスコット候補の方が多く、エリザベス候補が追い上げるかたちで選挙戦が展開された。

 ところが選挙戦の中盤、ウォレン候補がツイート数を絞った時期があったという。ブラウン候補もこれに倣いツイッターの投稿回数を減らしたが、「実はこれはウォレン候補の作戦。ウォレン候補はツイートを絞っている時にも発言がリツイートされており、ツイッター上で露出していた」(市ノ澤部長)。こういった戦略も功を奏し、見事ウォレン候補は逆転勝利を収めたのだという。

 日本でもツイッターを戦略的に使う動きはある。「選挙の終盤戦、ある首長が『あと〇〇票負けています』とツイートしたところ、50票差で逆転した」(市ノ澤事業部長)。温度感も伝えられるのが、ネット選挙の強みだ。

 ただし、ネットでの露出が多ければ勝てるわけではないと、先月の都知事選は教えてくれた。ネットでの人気が話題になった田母神俊雄候補は4位に沈み、ツイッターで政策を募集するなどネットを中心に活動した家入一真候補も及ばなかった。

 ネット選挙は、まだこれからだ。「(候補者はツイッターなどを)活用しながら少しでも投票率を上げ、有権者も政治に主体的に関わって欲しい」(市ノ澤部長)。

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