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CeBIT 2014リポート(5)

ロボット好きは全世界共通

2014年03月15日 07時00分更新

文● アスキークラウド編集部

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「CeBIT 2014」の「イノベーション&リサーチ」のコーナーは、研究の発表やスタートアップ展示など主に各地域の行政機構が主導したブースが並ぶ。データソリューションの展示も多かったが、来場者の足を止めていたのはロボットの展示だ。

 スイスの産学協同プロジェクトとして進められている「Roboy」。身長142cm、体重30kgで人間の子供を模したロボットだ。ASIMOのように二足歩行ができるわけではないが、48個のモーターを備え、人間の骨格や筋肉の動きを再現することに主眼が置かれている。まだまだ研究段階だが、将来的には介護サービスの分野で活躍させたいという。

プランの立案からわずか9カ月で現在の状況まで到達した「Roboy」。サイバネティクスのサンプルとして、現在欧州各地を巡業中だ

 人工知能の開発に取り組む独DAI-Labor社は、サッカーロボット「NAO Soccer」を展示。状況を認識し、自立歩行でボールをコントロールしながらゴールを目指すデモを実施していた。

ちょこちょことした動きがかわいらしくもある「NAO Soccer」。同社はほかにも人工知能を応用したスマートハウスの展示なども行っていた

ロボットではないが、DAI-Labor社のブースにあった「CLOG + Smart Bike」。スマホや各種センサーの情報を統合してサイクリングのログを取るだけでなく、Google Earthを使ったバーチャルサイクリングも実現する

 EUのバックアップの下で進められている「CoCoRo」は、自律的な群れの動きを水中で再現するロボット。魚の群れの原理を解明することで、水中という複雑な条件下で活動する機器の研究に貢献するという。

EU圏の大学が協同してプロジェクトを推進する「CoCoRo」。「Collective Cognitive Robots」の略称だそうだが、日本人的に言うとどうしても「心」という文字を当てたくなる(伝えてみたものの知らなかった模様)

 ロシアからは「WICRON WEBOT」。パソコンやタブレットから遠隔操作するロボットで、ビデオ通信機能を備えている。デモでは遠隔地からコンシェルジェ的な役割をロボットに担わせていた。

人間の容姿を模したロボットよりも、最初は「WICRON WEBOT」くらい人工的な造形のほうが受け入れられやすいかもしれない

 「イノベーション&リサーチ」のコーナーには、本年の「CeBIT AWARD」受賞作も展示されていた。

「Kinematics」はレゴのようにパーツを組み合わせて自分だけのロボットを作る知育玩具。スマートフォンで完成品をコントロールできる

ロボットではないが、液晶タッチパネルの全面に指紋認証機能を持たせた「Fiberio」。例えば銀行の窓口に設置して、行員と顧客でドキュメントをやり取りしつつ、決済は指紋で――というような用途を想定していた

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