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CeBIT 2014リポート(2)

我が家をもっと快適に

2014年03月12日 16時00分更新

文● アスキークラウド編集部

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「CeBIT 2014」リポート第2弾。「コミュニケーション&ネットワーク」のコーナーには、ネットワーク設備のパーツをやIPフォンを展示する中国・台湾系のブースがひしめき合っていたものの、ここではインテリジェント・ハウスの出展に注目だ。

 家中の電化製品を一括コントロールというのは、ガジェット好きならずともあこがれたことがあるのではないだろうか。ポーランドのFIBARO社が販売する「FIBARO SYSTEM」は、そのあこがれを現実のものとするソリューションだ。

FIBARO SYSTEMのセンサー類とウォールプラグユニット

 主に電源プラグに専用の機器を取り付け、電源のオン/オフを中央のセントラルユニットからコントロールして電化製品を動作させる。FIBARO SYSTEMの特徴は、単に電源のオン/オフをコントロールするだけでなく、動作させる時間やさまざまな動作方法を組み合わせられる点。さらにモーション/スモーク/ドアといったセンサー類と組み合わせて自動処理も設定できる。例えば起床前に空調を整えてから目覚まし(アラーム)をならし、電動ブラインドをあける。その一方でコーヒーメーカーのスイッチを入れてバスタブをお湯で満たし、モーションセンサーが実際の起床を検出したら、バスルームに至る照明をオンにする――といったことも可能だ。

 FIBARO社のシステムが電化製品全般をターゲットにしているのに対して、brightup社のソリューションは照明のコントロールに的を絞ったもの。こちらも電源プラグ部にユニットを取り付け、センターユニットでコントロールする方式。スマートフォンから照明を操作したり、決められたプログラムに従って照明を動作させたりするだけでなく、例えばテレビを見るとき、読書をするときといった用途に応じて各照明の照度もコントロールできる。

 またFIBARO社のソリューションは初期費用に加えて月額料金が必要だが、brightup社は3つのプラグが付属するスターターキット(予価199ユーロ)を導入すれば追加費用は不要だ。

システムのセンターユニット。brightup社は現在、クラウドファンディングサイトの「indiegogo」で出資を募っている

 こうしたインテリジェント・ハウスのソリューションは日本でも話題になりそうなものだが、実際に製品はなかなか出回っていない。その理由のひとつに通信規格の問題も挙げられる。FIBARO社もbrightup社も端末間の通信には「Z-WAVE」という方式を採用しているが、日本国内ではまだ利用が認められていないため、そのままでは機器を販売できない。この辺りは利用できる周波数帯の違いが海外製品の導入の障害になるため残念だ。

 ちなみにインテリジェント・ハウスとは異なるが、「コミュニケーション&ネットワーク」でもうひとつ目に付いたのが、GPSのトラッキングをベースにした製品。自動車の各制御情報をつなぐ「CANバスシステム」が規格化されたことで、メーカーを問わず1台のデバイスで対応できるようになった。そのためGPSユニットにSIMカードを搭載して、現在位置や車両の情報をクラウドに保存するというソリューションが多数展示されていた。

VEMOCO社のユニット。車両の現在地と状況を記録。例えば事故が起こったとき、状況を事故と判断して特定のプログラムを動作させることもできる

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