「パスワードを入力させる偽メールが届いても、絶対に入力しないでください!」――ホームページ上でこのように注意を呼びかけているのは三菱東京UFJ銀行。インターネットバンキングのパスワードなどの個人情報を盗み取ろうとする不審な電子メールが、不特定多数のユーザーに送信されているという。
あたかも同行から送信されたように装うメールを開き、案内されているURLからリンクをさらに開くと、そのページは同行そっくりの偽画面。そこでパスワード等を入力してログインボタンを押すなどの操作を進めていくと、個人情報を搾取されてしまう仕組みだ。同行ではメールでパスワード等の入力を依頼することはなく、当行から配信するメールの確認方法を案内している。
このようにネットバンキングユーザーを巧みに欺き、その結果、銀行口座から現金を不正に引き出す被害が急増している。警視庁が1月に発表した内容によると、2013年の被害件数は1315件で被害総額は約14億600万円。11年の165件/3億800万円、12年の64件/4800万円に比べると、今年はネットバンキングを狙った犯罪行為が多発していることがわかる。
今年に入っても、2月にゆうちょ銀行をかたるフィッシングが発生している。続いて今回、三菱東京UFJ銀行でも注意喚起に至ったことから、ネットバンキングがらみの不正行為が今年も猛威をふるいそうだ。