台湾からDUNU DN-1000登場
さて、やっと本題。DN-1000を作っている TopSound Electronicsというメーカーは台湾に本拠があり、製品自体は多くの電気・電子製品がそうであるように中国生産のようです。私は、このメーカーの名前をDN-1000で初めて知りました。
そのデザインからも分かるように、K3003を超えてやろうという意気込みを大いに感じる製品です。はっきり言えば見た目からそっくりです。2基のバランスド・アーマチュア型ドライバーの背後にダイナミック型ドライバーを配するという構成も同じ。ただしハウジングはAKGのようなアルミ合金ではなく、若干質量の高い銅となっています。
が、どうせ安かろう悪かろうでしょう、と。はっきり言って全然期待していませんでした。ところが第一印象は冒頭の一文の通り。
ハイブリッド型は、異なるドライバーのいいとこ取りを狙って失敗しているケースが多々あるものの、この製品はバランスド・アーマチュア型の解像感を引き出すチューニングで成功しているように思いました。これぞバランスド・アーマチュアと唸るような中高域の解像感、そこに加わる低域の量感、ともに申し分ありません。楽音の分離がいいので、ベースの音程は聴き取りやすく、キックやスネアも埋もれずタイトなビートを決めてくれます。
音の方向性はK3003そのものと言っていいでしょう。聴き比べると、中音域のピントがほんの少し甘く、キックの芯がほんの少しブレるところに、どうにか価格差を見いだせる程度。ただ、そのおかげでにぎやかに鳴っている印象もあるので、それもキャラクターとすれば難点とも言いにくいわけです。