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災害地域での無人車両を運用に

東大とフジタ、上空から見下ろした映像を使い災害地域で建機を運転するシステムを開発

2014年03月07日 16時51分更新

文● 行正和義

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 フジタと東京大学は、無人化施工における遠隔地から建設機械を操作するオペレーターへ映像を提示する手段として「俯瞰映像提示システム」を開発した。

 自然災害などへの迅速な対応において、災害地域内での有人作業は二次災害の危険性があるため、遠隔地から建機を操作する無人化施工の技術向上が望まれていた。

 東京大学大学院光学系研究科精密工学専攻の淺間研究室・山下研究室では、建機の前後左右4方向に取り付けた魚眼レンズからの映像を合成、建機を上からみた俯瞰画像として提示するシステムを開発した。

 フジタは、国土交通省九州地方整備局九州技術事務局と協力して開発した「ロボQ」(市販の油圧ショベルに装着して遠隔操作するシステム)を運用しているが、今回ロボQと俯瞰画像提示システムを組み合わせて実証実験を行い評価した。その結果、オペレーターにとっては前方視界よのみよりも障害物回避のしやすさ、油圧ショベルの停止位置精度、刃先の位置決めなど操作性は向上したという。

 超広角レンズの映像を加工して俯瞰映像を作成する技術は自動車の駐車支援などですでに実用化しているが、車両のサイズに合わせて映像を作成できるメーカー純正(または装着車両が決まっているオプションの)システムと異なり、災害時に調達可能な建機がそのつど異なるため、建機のサイズに合わせて映像を調整するのではなく、カメラ取り付けから短時間でキャリブレーションして映像を作成できるようにしているのがポイントだという。

 従来、建機の前方カメラに加えて外部に固定カメラを設置して建機を撮影した映像を用いていたが、固定カメラを用意できない災害時へ派遣できるなど、緊急災害への対応力が向上したとしている。今後、現場での実適用に向けて画像の高精細化や耐久性向上、さまざまな建機への適用を進める予定という。

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