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SEOのアドバイスが「ユーザに価値あるサイトを運営せよ」という言い方になる理由

2014年03月05日 13時43分更新

記事提供:SEMリサーチ

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SEOのアドバイスとして「ユーザに価値あるサイトを運営することが、継続的に検索流入を得られる(検索エンジンと親和性が高いサイト作りの)近道である」といったアドバイスがあります。これは私もよくいいますし、欧米の(ホワイトハットな)SEOの方々も、Googleも、Microsoft も口を揃えて言います。しかし一方で「もっと具体的な SEO のテクニックの話をしてほしい」といったコメントを頂くことがよくあります。

しかし、具体的な SEO のアクションが取れないアドバイスは意味がありません。技術的な説明をしたところで「で?」といった反応しかできない説明は、とりわけ企業内のSEO担当者にとって全く意味がない説明だと思います。

例えば、「ウクライナ問題」を例にとってみましょうか。Google は次のようなデータ分析に基づいて、1つ1つのウェブページの重要性や関連性を計算し、検索結果を出力しています。

例『ウクライナ問題』についての Google 検索アルゴリズム視点


  • ページ分析:ある時点から「ウクライナ」「クリミア」「プーチン」「米大統領」「オバマ」「ロシア」「ウクライナ」「軍事行動」といった文字列及び分野に関する話題を持つ新規ページが急速に増加し、刻一刻と更新され始めている。また、ロシアやウクライナに言及していることに変わりないが、2月下旬から3月上旬にかけて、扱っている話題が「大統領」「与党」「新政権」といったものから、軍事衝突、クリミア掌握といった具合に刻一刻と変化していることから、現在進行形で動いている事象だと推定できる。さらに、こうした文字列を持つページの文章全体あるいは段落単位の分析を行うと、ある範囲の話題性を持っていることも確認できる。以上のデータから、一定の範囲内における話題に言及し、かつもっとも最新の(後述)ページはユーザーの閲覧ニーズが高いことから、重みづけを変化させていくことが適当。

  • クエリ分析:クエリ分析ある時点から「ウクライナ」「クリミア ロシア」「ウクライナ問題」といった検索クエリが急上昇し、数日にわたり一定の検索数量を維持している。同話題に言及する新規ページやリンクの急増時期と重なることから、ユーザの閲覧ニーズ及びリアルタイム情報へのアクセスニーズが高まっていると推定し、それに適した重みづけを行うことが適当。

  • タイムスタンプ(最終更新日時):ウクライナ関連の話題に言及するページの大半はタイムスタンプが分単位で最新のものが次々と登場し、かつ、更新がしばらく途絶えていたページでもタイムスタンプが更新され始めた。こうしたタイムスタンプの変化も、過去の重要性よりも情報鮮度を重視した検索結果を提示した方がユーザーの要求に応えられるだろう。

  • バックリンク(被リンク):タイムスタンプが次々と更新されているページに、次々と新しいリンクが向かっている。また、タイムスタンプの日付が古いが同時に被リンクも多かった文献に対するリンク数が増加している傾向もある。検索クエリによっては、最も新しいのではなく、現在までの時点で最も信頼性や重要性が高い一般的な検索結果を含むことも妥当であろう。

  • アンカーテキスト:文字列の種類は数十万にも及ぶが、総じてウクライナ関連の単語を文字列としたアンカーテキストが、ある時点から急速に増加していることが明らか。また、時系列で見ると、大統領辞任から「新政権」、ロシアの軍事介入、米国の非難といった具合に、新規に増加しているページ内容の変化にあわせるかのように、新規出現するアンカーテキストも変化している。ただ、こうした変化よりも情報鮮度に基づいて重みづけをする方が妥当であろう

これらはほんの一例ですが、Google はインターネット上に展開される情報や検索窓に入力される検索クエリといった得られる限りのデータを分析し、リアル社会の変化を認識したならば「その瞬間」の検索意図を正確に把握し、満足度の高い検索結果が表示されるようにする、そんな複雑な検索アルゴリズムを構築しています。

上記を踏まえて、ウェブマスターがサイト運営においてすべきことは何でしょうか。つまり「最新の情報を継続的に発信せよ」という14文字にまとめられますよね。

Twitter でも述べましたが、多くの人は「コンテンツの重要性」の本質を理解していないようです。SEO においてコンテンツが重要というのは、皆さんが検索上位に表示したいと狙っているキーワードを含んだコンテンツを用意せよ、という意味ではありません。そうではなく、来訪者が「またこのサイトに来よう」「このサイトは参考になる」「勉強になった」そう思ってもらえるようなサイト運営を心がけよ、というのが本質です。そういった態度・姿勢を持つようにするならば、必然的にコンテンツを考えないといけないですよね。

昨日オーソリティーサイト(権威性)について加筆しましたが、今日の Google は過去から蓄積してきたリンクの総資産価値を評価するのではなく、過去から現在までのサイト運営の過程や実績を評価しようとしています。それは初めてインターネット上にそのサイトを立ち上げてから、今日までの履歴書に等しいものです。Google は活用できるシグナル(手がかり)を総動員して、サイト全体の真の価値を求めようとしています。

例えば、学校のテストでたとえてみましょう。学校のテストが年間10回行われたとします(100点満点)。 A さんの点数が第1回目から順に「0点→0点→38点→25点→54点→61点→59点→76点→71点→72点」と変化ました。一方、B さんは「100点→100点→0点→100点→0点→0点→100点→0点→0点→0点」と変化したとします。

こうした時に、『Aさんはテストの回数を追うに従って努力している』『Bさんは何か不正なことをしているか、やる気がないか』といったことが読み取れるかもしれませんが、Google はそれを検索アルゴリズムで試みている、というとわかってもらえるでしょうか。

つまり、リンクの総数や特定アンカーテキストの総数だけでは誰でもねつ造可能です。しかし、過去から現在までの推移や変化を人工的に作り出すことは困難です。特に、単にあなたのサイトにおける変化や推移ではなく、検索クエリや新規/更新/消滅ページの変化に対して相対的にあなたのサイトはどう変化したのかに基づいて計算されるので、なおさら困難です。流行は時間の流れとともに変わりますから、過去のある時点での価値と現在の価値が全く異なるものはざらにあります。その理屈を検索アルゴリズムの世界に持ち込んで来ているので、「リンク張れば順位が上がる」なんて時代ではないのです。

話を戻しますと「ユーザに価値あるサイトを運営せよ」というアドバイスは、結局そういう姿勢でサイト運営することが、検索エンジンと親和性が高い、数々の要素を自然に作り出すことになるのです。Google がそれなりに賢くなってきたことで、テクニカルな側面ではなくサイト運営姿勢を理解し実践することで検索の発見性をある程度は高められるようになってきたんだ、ということを理解して頂ければと思います。


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SEO の技術的なことを全く学ばなくていい、というお話ではありません。クローラビリティやアクセシビリティを高めるといった手順も必要です。ただ、最近の「コンテンツマーケティング系」の話については、勘違いされている方が本当に多いので、ご注意頂きたいと思います。

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