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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 第20回

アーケードゲーム人気と動画投稿には密接な関係がある!?

ニコ動とアーケードゲームの熱い関係――絆、BB、戦国

2014年02月27日 18時00分更新

文● myrmecoleon

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動画作成サービス完備
バージョンアップごとに投稿が増える「戦国大戦」

 「戦国大戦」はセガのトレーディングアーケードカードゲーム。日本の戦国時代を題材として、戦国武将たちのカードを駆使してリアルタイムに対戦ができる。2005年から稼働していた「三国志大戦」の姉妹作で、多くの機能を踏襲しています。

 2010年11月から稼働開始、最新バージョンは2014年2月20日稼働の「戦国大戦 - 1477 破府、六十六州の欠片へ -」。動画のタグとしては各バージョン共通で「戦国大戦」が使われています。

 グラフ1をみても分かるように2008年頃から「三国志大戦」の動画投稿が活発となっており、「戦国大戦」はそれを引き継ぐかたちで人気となりました。両者でともに動画を投稿しているユーザーも多いです。

 これまで4100名ほどのユーザーにより約7万4000の動画が投稿されています。投稿動画数は通常2000前後ですが、バージョンが新しくなるタイミングで3000近くまで急増する傾向があります。

 姉妹作「三国志大戦」には2008年7月よりリプレイ動画作成サービスの「演武場」が実装されており(投稿が活発となったのもこれが背景)、これを引き継ぐかたちで「戦国大戦」でも有料公式サービスの「戦国大戦.NET」でリプレイ動画を作成・ダウンロードできるようになっています。ニコニコ動画の「戦国大戦」のプレイ動画ではほとんどがこちらで作成した動画を使用しているようです。

 なお、「三国志大戦」「戦国大戦」ともに作成したプレイ動画のニコニコ動画への投稿が公に認められているわけではありませんので注意。

 「戦国大戦」で特徴的なタグとしては「会話つき戦国大戦」があります。会話といいますが要するにプレイ動画に会話形式でのプレイの解説や、ゲーム中にない演出・ストーリーなどを加えた作品のことで、「iM@S架空戦記シリーズ」などのMAD的なプレイ動画に近いです。中には「戦国大戦つき会話」というタグがつくような会話演出がメインになっている動画もあります。

 ほか「戦国頂上」タグでは、ゲームセンターで見ることができる高ランクプレイヤーの戦いのリプレイ動画を外部出力等で転載している動画が投稿されており、特に見ごたえのある戦いは人気があります。

2014年2月時点で視聴可能な「戦国大戦」タグのついた動画の月別の投稿動画数とそのユニークな投稿者数、および新規の投稿者数。投稿動画数が急激に上がっている箇所はすべて新バージョン稼働月かその翌月である。ちょうど新バージョンが稼働したところのため、2月・3月は投稿数が増えると思われる

三国志大戦でも「会話つき三国志大戦」動画を投稿していた「もじゃあき」ことモジャ美氏の動画。通称で分かるとおり大戦動画ではふたばちゃんねる関係のユーザー(としあき)の参加が目立つ。動画は戦国大戦のプレイ動画に戦闘に出ている武将のキャラクターイラストによる会話シーンを加えたものだが、イラストはほぼすべて本人が描いている。

 今回紹介した作品のほかでは、「戦場の絆」と同様にガンダムを題材とした「EXVSFB」(「機動戦士ガンダム エクストリームバーサス フルブースト」)、スクウェア・エニックスの「ガンスリンガーストラトス」や「LoV3」(「ロード・オブ・ヴァーミリオンIII」)などが最近よく投稿されています。

 全体に言えることとしては、「実況プレイ動画」等と比べて、視聴者を楽しませることよりもプレイ内容を記録したり評価してもらうことを目的とした動画投稿が多い印象があります。戦術的なテクニックを検証している動画も多いです。

 一方でゲーム映像を使ったMAD動画(「ボーダーブレイクMAD」等)や「会話つき戦国大戦」のような視聴者の楽しさに重点を置いた動画もあり、ゲームプレイ経験のない方もこのあたりから見ていくと面白いかもしれません。

 またゲームタイトルによってやり方は違いますが、リプレイ動画の利用のための手段が整備されている部分があり、近年のアーケードゲームの人気と動画投稿には密接な関係があるようです。

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