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折れない0.2mmの極細で小学生のノート取りは変わるか?

現役JSとその父がチェックした極細シャーペン「オレンズ」

2014年02月24日 12時00分更新

文● 大谷イビサ

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 「不思議なほど芯の折れない」「0.2mmという未知の芯径」を実現した驚異のシャープペンシル「orenz(オレンズ)」(ぺんてる製)。ASCII.jp Focusでニュース掲出後(関連記事)、またたくまにSNSで話題になった新世代文具を現役JSとその父(ワタクシ)がチェックする!

不思議なほど芯が折れるうちの娘

 「苦手な教科は国語、算数、理科、社会」と豪語する現役JSの娘(9歳)。日頃の宿題をフォローするのは、家事と内職、下の息子(4歳)の世話でてんやわんやのかみさんではなく、当然ワタクシになる。

 さすがに小3の勉強なので、教科書を読んでいれば、内容的に教えるのは問題ない。しかし、横について娘の勉強を見ていると、筆圧が高いのか、娘がやたらシャープペンシルの芯を折るのが気になる。漢字練習とかで、バキバキ芯が折れるのだ。芯が折れると、やはり本人の気が散るし、折れた芯が家の中に飛びまくる。床に落ちた芯を踏んで、かみさんがキーッとなるのは想像に難くない。

「お姉さん、漢字練習中すいませんが、ずいぶん芯折ってますよ!」「ほへっ?」

 他はいざ知らず、うちの場合、こうしたケースでの対応が夫婦で異なる。かみさんが「削るのが面倒でも、鉛筆を使いなさい」と娘を諭すのに対し、ワタクシのアプローチは「折れないシャーペンを使えばいいんじゃね」になる。ということで、ASCII.jp Focusの記事でかなりツイートされた折れないシャープペンシル「オレンズ」に目を付けたわけ。さっそくレビューしていきましょう。

高付加価値文具……しかも初物なので

 オレンズは、従来もっとも細い芯径だった0.3mmを上回る0.2mmという極細の芯径を実現しつつ、“不思議なほど芯の折れない”というシャープペンシル。ぺんてるの広報文によると「芯が減るのに合わせて先端パイプがスライドする『オレンズシステム』」の採用により、パイプがつねに芯をサポートしている状態で筆記するので折れないとのこと。ふむふむ。テクノロジーとはまったく深遠だ。

オレンズのカラバリ、価格、パッケージなど(広報資料より)

 同じく広報文には「細くスッキリとした文字が書けるシャープペンシルとして、日常の学習やテスト勉強を強力にサポートしていきます。」と書かれており、芯折りまくりで、気散りまくりの娘にぴったり。どうせながら、学業までサポートしまくってほしいと切に感じる父である。

 2月7日発売だったものの、近所の「ライフ」にはなかったので、会社からの帰り道にある池袋の「ロフト」でゲット。ブラック、イエロー、ピンク、スカイブルー、ホワイトの5色展開なので、今回は娘からはまず選ばれないであろうイエローを購入してきた。

会社帰りにオレンズと0.2mm芯を買ってきた

 オレンズ本体が500円、0.2mm芯(10本入り)が200円(ともに税別)は正直高いが、高付加価値文具、しかも初物ということで、致し方なしかなと。ただ、0.2mm芯を用いるシャープペンシルは現状オレンズしかないため、現状はベンダーロックインの状態。20円/芯は折るとダメージがでかいので、一層の低価格化をおねがいしたいところだ。

折れないのもそうだが、極細ってスゴイ

 「折れないシャーペン買ってきたよー」とのことで、親子でさっそく使ってみた。パッケージの「orenz」を見て、すかさず「なんだか大人が土下座で謝ってるみたいだね」って一言。娘、けっこう鋭いな。

 使ってみると、確かに折れない。というか、ほとんど芯が出ていないのだから、よほど筆圧を上げないと、折れようもない。もちろん、さまざまな角度で書いても、きちんと筆記できるし、使い勝手は普通のシャープペンと同じだ。当たり前か。「なんで折れないのー?」という娘のまっとうな質問についても、前述した広報文の棒読みで言葉を濁してしまうTECH.ASCII.jp担当のワタクシであった。

 で、娘の第一声は「ほっそ!!」だ。なにより0.2mmという極細ぶりに驚いたよう。普段使っているシャープペンシルが0.5mmなので、その差は歴然。極細ぶりを理解してもらうため、娘にはこの0.2mmオレンズと0.5mmのシャーペンで習ったばかりの難しい漢字を……って、なに女の子のイラスト描いてるの!

……ということで、同じ絵を0.5mm(左)と0.2mm(右)のオレンズで描いてもらった

 娘曰く、2つの絵で比べてもらいたいのは、髪やリボン、目、服のひらひら感などのディテールだという。0.5mmも十分細いが、0.2mmで描くと、まつげを細かく書き込んだり、ハートのボタンの影が描きやすく、立体っぽくなるとのこと。

 拡大すると絵にも描いてあるのだが、娘が考えたオレンズのよいところは、

  1. ほそくてまとめやすい!
  2. おれにくい!
  3. こまかいところまでかける!
  4. ノートをきれいにまとめられる
  5. けしやすい!

(原文ママ)

 の5点だという。小3なので、もう少し漢字で書いてほしいが、なかなか高評価といえるだろう。

 面白いのは、オレンズでは芯を出すために、何度もカチカチしなくてよいこと。そもそも芯をほとんど出さないで書けるので、「1回だけノック」してねと注意書きで書いてあるくらい。「折れたら、カチカチ」がくせになっている娘は、かなり戸惑っていたようだ。

 ただ、シャープペンシルの宿命と言うべきか、試用中になんとか芯が詰まって出てこなくなることがあり、ちょっと困った。先端部(先金というらしい)を開けると、折れた芯が何本か出てきたので、出なくなったら、カチカチする前にまずは消しゴムのクリーナーピンで掃除するとよい。なお、芯詰まりの解消については、同社のWebサイトでも丁寧に説明されている。

先端部を外すと先金とスライダーが出てきた

 さて、娘が力作を作ってくれたので、ワタクシも画数の多い漢字をマイクロサイズで書いてみた。0.2mmなので、さすがに細かい字が書ける。名刺サイズに般若心経とかいろんなチャレンジができそう。うおっー。

0.2mmで書くと、さすがに細かい字までOK!隣の米と比較してほしい

 調子に乗って、比較に持ってきた米粒にも描いてみた。集中したら、笑い顔まで描けるようになった。0.2mmスゴイ!

米に顔まで描いてみた。ニヒッ!

やっぱりすごい日本の文房具!

 ということで、親子で日本の匠の技を感じさせる次世代文具をレビューしてきたが、いかがだったろうか?

 仕事柄、ワタクシもノベルティーでさまざまな文房具をもらうが、手元に残っているのは、結局国産の文房具だけだったりする。モノを頂戴して、こんなことを言うのは気が引けるが、見た目は豪華なのに、「フタを開けたら、いきなり書けない」「インクがあるのに、肝心なときにこすれる」「書いていると、すぐにインクだまになる」といったボールペンが本当に多いのだ。そんな中、「JETSTREAM(三菱鉛筆)」とか渡されたら、「いや、本当に御社はわかってますねえ」と、そのメーカーを褒めたくもなろうというものだ。

 今回使ったオレンズも、そんな国産文具の粋を感じられる逸品に仕上がっている。学生たちの溢れる才気が、このエクセレントな文具でアクセラレートするのを願うばかりだ。まあ、うちでは勉強道具ではなく、すっかりお絵かき道具になっているが……(涙)。

パパっ!お絵かきがんばるね!

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