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スマホで始める「音楽アプリ部」 第34回

実機では触れないところまで作り込みができる

アプリの醍醐味! アンプシミュレーターを自由に作れる「BIAS - Amps!」

2014年02月22日 12時00分更新

文● 藤村亮

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アンプの見た目を自分好みに変更できる

 Custom panelではアンプ全体の見た目を変更します。画面右中央のアイコンをタップするとAmp Name、Background、Tolex、Gillcloth、Panel、Knobの6項目のリストが開きます。

Custom panel画面。羊の皮を被った狼のようなデザインも自由に作れます

 Amp Nameはアンプの名称を変更でき、BackgroundではiPad内に保存されている写真をアンプの外装枠に使用できます。Tolexはアンプの外装に貼り付ける合成革のことで、一般的なブラックレザーやツイード生地など全8種類のデザインから選択可能。Gillclothはアンプ前面のグリルやネットを指し、布地や鉄板などが全部で8パターンあります。Panelはコントロールツマミのあるパネルの部分で、0~10までの数字が振られたパネルや光沢のある黒パネルなどを全8種類用意。Knobはコントロールツマミの形状を変更でき、チキンノブやソンブレロタイプなど全11種類から選べます。

 見た目だけでもこのこだわりですが、音色の方はさらに突っ込んでいます。

実機では触れない部分まで手入れでき、音の作り方は無限大

 preampからtransformerまでの4段では、実際のアンプヘッドの中でギターから出力された信号がたどる道筋を再現しています。また、パラメトリックタイプの8バンドイコライザーが2つ用意されており、任意の段階に挟み込んで音色を調整可能。イコライザーのOn/Offはフリックひとつで切り替えられます。

 preampはアンプの初段での音の歪み方を変える部分で、音作りの方向性にもっとも大きく影響する部分です。画面中央に4本並んだ真空管(プリ管)は3種類のモデルが用意されており、左から1・2番チューブと3・4番チューブで別々のモデルを組み合わせることもできます。

preamp画面。赤く灼けるプリ管は2本ずつペアで設定できます

 アプリの名前にもなっているバイアス(真空管にかける負荷量)の調整は、BIAS ADJUSTでCOLDとHOTの2方向にコントロール。COLD方向に向けると若干クリーンに、HOT方向に向けると少し荒々しいサウンドの色づけとなります。かなり多くのツマミやミニスイッチが並ぶ項目なので、11種類用意されているプリセットを参考に少しずついじっていくのがいいでしょう。

 画面下部中央のQUICK SNAP機能で8つまでセッティングを保存できるので、細かな違いを試すのに使えると思います。

 tone stackではアンプの3バンドイコライザー(BASS、MIDDLE、TREBLE)部分のかかり方のクセを調整できます。イコライザータイプはベースアンプやアコースティックアンプも含めた全15種類。

tone stack画面。イコライザーの効き方も細かく調整可能

 たとえばマーシャル系のプリアンプ構成にメサブギーのイコライザー部分を使ったり、フェンダー系のプリアンプ構成にヴォックスのイコライザー部分を使ったりというような、現実にはまずありえないような組み合わせを楽しめます。こちらのプリセットも実機を想像しやすい名称で、8種類用意されています。

 power ampはpreampとtone stackで作られた信号を増幅する部分で、音の輪郭や低音域の広がりなどに影響します。画面中央に真空管(パワー管)が並び、4種類のモデルから選択可能。真空管アンプではプリアンプ部だけでなく、パワーアンプ部でも歪みが生じるので、ここで使われる真空管のキャラクターも非常に重要です。

power amp画面。実機では出力的に難しいパワー管であっても自由に選べます

 ほかにもTOPOLOGYやBIAS ADJUSTなど、実機では知識がなければ触るのを躊躇われるような部分での音の色付けを試すことができます。プリセットは全10種類、音作りの方向性を示すような名称がつけられていて実用的です。

 アンプ部分の最終段にはtransformerがあり、整流管と呼ばれる真空管と電源トランスの変更ができます。整流管(RECTIFIER TUBE)は2種類、TRANSFORMERは3種類と数は多くありませんが、ここも実機では自由度のない部分なので、この段でどのような違いが生まれているかを初めて感じる方もいるのではないでしょうか。

transformer画面。トランスの意外な効果に気づくかも

 プリセットは大型チューブアンプや真空管を使わないソリッドステートアンプのトランスセッティングなどが7種類あります。

 アンプの後には音を出すスピーカー部分であるcabの設定があります。スピーカーキャビネットはスピーカーの数やサイズが異なる20モデルとバイパスをあわせた21種類。

cab画面。マイクの置き方ひとつでも、また違う音世界が広がります

 スピーカーから出た音を拾うマイクはダイナミックマイク(SM57)とコンデンサーマイク(C414)の2種類が選択できます。右下のXYパッドでスピーカーキャビネットからマイクへの距離を、左下のXYパッドではスピーカーコーンに対してどの辺りにマイクを置くかを調整可能。

 音の輪郭や中音域の出などが大きく変わるので、マイクの位置を調整した後にイコライザーを挟んでみるのもいいでしょう。

 ひととおりの音作りが終わったら、画面上部に常時表示されているメニューから書き込みアイコンをタップして設定を保存。既存のプリセットに上書きするOverwriteと新たに名前をつけて別プリセットとして保存できるSave as newを選択します。保存されたアンプは初期画面の「CUSTOM」に表示されます。

CUSTOMリスト画面。大量のカスタムアンプコレクションも置き場に困ることはありません

 保存の右隣にあるシェアアイコンからは、BIASのユーザーサイトに接続してプリセットデータをアップロード可能。他のユーザーが制作したプリセットは初期画面の「TONE」からダウンロードできます。

 画面下部に常時表示されているNOISE GATEとROOM CONTROLは任意にオンオフが可能。NOISE GATEは自然なかかりでノイズを取り除いてくれるので、基本的にはかけっぱなしで音作りをしてもいいと思います。

 ROOM CONTROLはイメージ上のアンプを置いてある部屋の大きさや響き方などを調整できる機能、リバーブエフェクトのような感覚で使っていけるでしょう。

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