THETAの“死角”を調査してみる
さて、本体をデスク上に置いて360度全天球を撮影できる素晴らしいTHETAではあるが、自分の“足の裏”(THETAを設置した見えない部分)の撮影は不可能だろうということで、暇にあかしてTHETAが撮影できない“死角”をチョット探ってみた。
A4用紙ほぼ全面に手書き文字とグラフで埋まっている紙を下敷きにしてTHETAを設置、その状態でシャッターをリモートで切って、実際の撮影結果で、どの辺りの文字やグラフが撮影できないかを調べてみた。
結果、THETAでは、至近距離では自分の足の裏プラスその周囲、そして超広角180度を撮影した2枚の写真を繋ぐ部分が怪しそうな雰囲気だ。厳密にあと何度か調べればそれはそれで楽しい暇つぶしかもしれないが、THETAはそんなあら探しをする商品ではないだろう。たった一回のシャッターで周囲360度の全天球を撮影できる発想は素晴らしい。
残念ながら撮影者自信も被写体から逃れられないTHETAでは、誰もが思いつく三脚を使っての撮影も、どう見ても主役ではない三脚もそれなりに写ってしまう。一脚を使うのも名案だが、今度は自立しないので常に人が手で持つことになる。天高く手をさし上げて高い位置からの撮影が目的ならそれなりの効果はあるだろう。
イメージ的には結婚式でのクライマックスであるケーキカットの場面で、背の高いウェディングケーキのてっぺんにTHETAを設置して撮影したら面白いかもしれない。
また、充電しながら使えるようになれば、死角を忘れられる天井に逆さまに固定するのもいいだろう。一脚を使って高い位置からの撮影は問題ないかもしれないが、地雷探知機のように、地表30cm以下に位置する仰角30度近辺のTHETAはご法度だ。(^_^;)
デジタル一眼のサブカメラとしても便利!?
筆者はTHETAをある特殊な接続パーツを入手してミラーレス一眼のアクセサリーシューに取り付けてみた。これは、建築現場や展示会、アート作品の個展などで、フォーカスを当てる目的の被写体だけをミラーレス一眼で撮影し、その時の周囲360度の状況を同時刻にTHETAで撮影することを想定して考えたお遊びだ。
THETAは確かに個人が使っても楽しい新発想のデジタルカメラだが、従来からあったものと組み合わせて活用することでビジネスシーンでもより楽しい便利な使い方が思いつく商品だ。
中には昨今のデジカメと比較して解像度の低さを嘆くユーザーもいるが、360度全天球環境写真がSNSと連携したり、従来のデジカメとのコラボレーションを工夫すれば十分だ。
本来、カメラは「今」という時間を切り取って記録に残す道具のはずだが、THETAは自分も含め、その同時刻に、気にもとめなかった周囲の状況や関係性を同時に切り取ってしまうという、今までにないインパクトが商品価値だ。
技術革新でいずれは登場する高解像度技術を待って市場投入を先送りするというおバカをしなかったのは英断だ。
残念ながら、筆者は発売開始日にいつものようにTHETAを衝動買いしなかったという大ボケをかましてしまった。
■Amazon.co.jpで購入
今回の衝動買い
アイテム:RICOH THETA
価格:ヨドバシカメラにて4万4800円で購入
T教授
日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。
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