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クラウドインテグレーターとの提携で国産クラウドを選択肢に

2014年度の営業利益予想「0円」はサイボウズの不退転の覚悟

2014年02月18日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月17日、サイボウズは決算事業説明会を行なった。IRをほとんどやってこなかったという同社が年に1回だけ行なう説明会では、サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏が、2013年のビジネス概況、2014年の事業方針に加え、クラウドインテグレーターのウフルのパートナーシップについて紹介した。

無配でもクラウドへの投資を続ける

 説明会で登壇したサイボウズの青野氏は、会社概要や主力製品群、グループウェア専業で進める同社のビジョンを説明した後、「パッケージからクラウドサービスへ」「中小企業向けから大企業向けへ」「情報共有アプリから情報共有プラットフォームへ」「日本国内から海外市場へ」という中長期的な事業拡大方針について解説。こうした概況の中、青野氏は先週発表された決算について説明した。なお、前期にあたる2012年12月期は決算期の変更で11ヶ月の変則決算になっている。

サイボウズ代表取締役社長の青野慶久氏

 これによると、2013年度の売り上げは昨年よりも10億円以上も多い51億9700万円となったが、営業利益は減少。これはひとえにクラウド関連サービスの開発や広告宣伝に向けた積極的な投資を行なった結果だという。

 しかも、このクラウドビジネスへの投資は、2014年度も継続される。そのため、2014年12月期の売り上げは前期比3.9%アップの54億円を目指すものの、営業利益は収支をとんとんにした結果「0円」になると見込む。同社では連結当期純利益の50%を配当する方針であるため、2014年は無配になる予定だ。

 これに関して青野氏は、こだわってきたcybozu.comの有料契約者数が順調に伸び、クラウドの売り上げ実績も対前年比で約3倍に拡大していることを説明。「次の成長カーブが来ている。本当のグローバル企業になるため、財務状況が安定しているうちに、利益を投資に回す。財務を痛めない程度にアクセルを踏もうという着地点が営業利益0円」(青野氏)と述べ、株主の理解を求めるという。クラウドビジネスの成長に賭けた同社の不退転の覚悟を示したといえよう。

cybozu.comの有料契約者数パッケージに加え、クラウドビジネスが3倍に拡大

クラウドインテグレーターとの提携を発表

 こうした数字とは別に、青野氏が2013年の実績として挙げたのは、「エコシステムの推進」「継続的な機能改善」「信頼性の強化」の3つだ。

 まず開発者向けの情報提供サイトやAPIを拡充すると共に、他社と協業することで、50を超えるkintone連携ソリューションの推進。また、開発体制もクラウドスピードにあわせ、毎月10以上となる計158回の製品リリースを進めたという。cybozu.comの運用に関しても、海外のクラウドに比べて高いレベルを維持。運用実績を元に、「障害復旧に45分かかるなんてすごくない。日本人の美徳は時間を守ること。われわれは新幹線を3分間隔で出すレベルで運用していく」と述べた。

 一方、2014年にはエコシステムの推進、信頼性の強化に加え、「大規模組織への提案を強化」する。具体的にはGaroonのメジャーバージョンアップに加え、Garoon+kintoneの対応力を強化。中小企業向けのイメージを刷新し、大企業向けの製品として情報システム部に対する認知を上げていくという。

2014年の

 また、このうちエコシステムの推進を実現すべく、同日クラウドインテグレーターであるウフルとの提携も発表された。スワヒリ語で自由を意味する社名を持つウフルは、SalesforceやGoogle Apps、Microsoftなどのクラウドの再販や導入支援を進めるほか、マーケティングクラウドを展開する。2006年の創業以来、パブリッククラウドの販売やインテグレーションにフォーカスしている。

ウフル 代表取締役社長 園田崇氏

 ウフル 代表取締役社長 園田崇氏は、「開発体制や信頼性などプラットフォームとしてのコミットメントをいただけたことも大きいし、国産製品のプラットフォームに対するお客様への期待感も高い。kintone上で素晴らしいアプリを展開できたらいいなあと考えている」と提携の背景について語った。青野氏も、「Salesforceなどの(競合する)クラウドを扱っているから排除するのではなく、むしろ複数のクラウドを組み合わせて使うことに意義があると思っている」と述べ、まずは選択肢に入ることこそ重要だと述べた。

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