このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

ソニーのフルサイズ・デジカメ「α7」を使い倒す! 第1回

「α7(ILCE-7)」はフルサイズ素子を持つ究極のミラーレス機-ソニー

2014年02月17日 06時00分更新

文● 周防克弥

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

α7のスペックをチェック

 「α7」が搭載する撮像素子は有効画素数約2430万画素の「Exmor CMOSイメージセンサー」、画像処理エンジンには新開発の「BIONZ X」を採用している。感度設定は最高で、ISO25600まで可能だ。新しい画像処理エンジン「BIONZ X」には従来のエンジンよりも質感の描写性に優れる「ディテールリプロダクション技術」、レンズを絞り過ぎた際に生じる回折現象を復元して解像力を高める「回折低減処理」などが搭載されている。

 よく、「一眼レフカメラに比べて、ミラーレス機はオートフォーカスの動作スピードがネック」と言われるが、「α7」に限って、そのような事はない。多くのミラーレス機は、撮像素子面でのコントラスト検出方式のAFが採用している。一方、「α7」ではレンズのフォーカス駆動を最適化させる事で、従来モデル比で最大35%もフォーカス速度を短縮している。さらにそれだけではなく、センサー面に位相差検出方式のAFセンサーを117点埋め込み、コントラスト検出方式と位相差検出方式の両方を組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を採用。一眼レフのAFシステムにも負けない、高精度で高速なオートフォーカスが可能になっている。

 デザインは、シンプルな一眼レフスタイルを採用している。レンズ光軸上にEVFを搭載し、アイレベルで安定して構えて写真を撮れる。もちろん、背面液晶を使ってコンデジスタイルでの撮影も可能だ。EVFに顔を近づけると自動的に表示が切り替わるので、状況に応じて好きなスタイルでの撮影できる。

グリップ上部、背面上部とにダイヤルが備わり絞りやシャッターなどの設定を行なえる。ボタンでの操作よりも直感的な操作が可能だ

背面液晶は上下へチルト。下には約45度、上には90度まで可動する

電池はグリップ内部で下から交換する。メディアはメモリスティックもしくはSDカードを使用。側面から交換できる

グリップと反対側の側面には入出力用のインターフェイスが備わる。上には音声のインアウト、下には充電も兼ねたUSB端子とHDMIの出力があり、個別に蓋を開けられる

 現状では単焦点レンズが2本(Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA、Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA)、ズームレンズが2本(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS)用意されている。加えて、3月に望遠ズーム(FE 70-200mm F4 G OSS)が発売予定だ。2014年中には、広角ズームレンズ、大口径単焦点レンズ、マクロレンズを含む5本の発売が予定されているので、大いに期待したい。

FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS使用。絞りF5.6、シャッタースピード1/80秒、ISO250。一番望遠側でフルオートのままで撮影。暗めの室内だがレンズ内蔵の手ブレ補正のおかげで1/80秒と遅めなシャッタースピードでも手ブレしないで撮影できた。十分な光量がなかったので必然的に絞りが開いて開放になってしまい、極端にピントが浅いがおかげで雰囲気が出た

FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS使用。絞りF11、シャッタースピード1/250秒、ISO100。フルオートのまま。左のほうに太陽があってレンズに直接光があたっているがフレアや解像力の低下は見られない。高画素でフルサイズだけあって遠景の解像力はものすごく高い。遠景の枯れ枝の一本一本まで見事にシャープに写っている。雲のグラデーションもよく再現されていて広い階調表現力を持っているのがわかる

フルサイズでも小型なミラーレス

 「α7」は、従来のフルサイズ機に比べて本体サイズが小さく扱いやすい点はかなり魅力だ。フルサイズに対応したレンズがちょっと大きめではあるが、そこは致し方ない所。APS-Cサイズ機に比べて格段に大きくなってしまう一眼レフに比べ、ミラーボックスのないミラーレス機はフルサイズ化してもそれほど大きくはならない。光学ファインダーがない点も、小型化に貢献しているだろう。

 次回は、もうちょっと撮影結果を中心にレポートしたい。

評価機の主なスペック
製品名 α7(ILCE-7)
撮像素子 35mmフルサイズ
有効2430万画素
カラーフィルター あり
感度設定
(拡張、マルチショットNRを除く)
ISO 100~25600
AF測距点 フルサイズ時位相差検出方式:117点
APS-Cサイズ時位相差検出方式:99点
コントラスト検出方式:25点
最高連写速度 秒間5コマ
ファインダー 0.5インチ
約236万画素
視野率100%
倍率0.71倍
背面モニター 3型(92.1万画素) チルト式
静止画撮影可能枚数
(付属バッテリー、モニター使用時)
約340枚
本体サイズ 幅126.9×奥行48.2×高さ94.4mm
重量(本体のみ) 約416g
直販価格(ボディー) 15万円前後
ソニーストア

ソニーストア

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

週刊アスキー最新号

編集部のお勧め

ASCII倶楽部

ASCII.jp Focus

MITテクノロジーレビュー

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード
ピックアップ

デジタル用語辞典

ASCII.jp RSS2.0 配信中