α7のスペックをチェック
「α7」が搭載する撮像素子は有効画素数約2430万画素の「Exmor CMOSイメージセンサー」、画像処理エンジンには新開発の「BIONZ X」を採用している。感度設定は最高で、ISO25600まで可能だ。新しい画像処理エンジン「BIONZ X」には従来のエンジンよりも質感の描写性に優れる「ディテールリプロダクション技術」、レンズを絞り過ぎた際に生じる回折現象を復元して解像力を高める「回折低減処理」などが搭載されている。
よく、「一眼レフカメラに比べて、ミラーレス機はオートフォーカスの動作スピードがネック」と言われるが、「α7」に限って、そのような事はない。多くのミラーレス機は、撮像素子面でのコントラスト検出方式のAFが採用している。一方、「α7」ではレンズのフォーカス駆動を最適化させる事で、従来モデル比で最大35%もフォーカス速度を短縮している。さらにそれだけではなく、センサー面に位相差検出方式のAFセンサーを117点埋め込み、コントラスト検出方式と位相差検出方式の両方を組み合わせた「ファストハイブリッドAF」を採用。一眼レフのAFシステムにも負けない、高精度で高速なオートフォーカスが可能になっている。
デザインは、シンプルな一眼レフスタイルを採用している。レンズ光軸上にEVFを搭載し、アイレベルで安定して構えて写真を撮れる。もちろん、背面液晶を使ってコンデジスタイルでの撮影も可能だ。EVFに顔を近づけると自動的に表示が切り替わるので、状況に応じて好きなスタイルでの撮影できる。
現状では単焦点レンズが2本(Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA、Sonnar T* FE 35mm F2.8 ZA)、ズームレンズが2本(FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS、Vario-Tessar T* FE 24-70mm F4 ZA OSS)用意されている。加えて、3月に望遠ズーム(FE 70-200mm F4 G OSS)が発売予定だ。2014年中には、広角ズームレンズ、大口径単焦点レンズ、マクロレンズを含む5本の発売が予定されているので、大いに期待したい。
フルサイズでも小型なミラーレス
「α7」は、従来のフルサイズ機に比べて本体サイズが小さく扱いやすい点はかなり魅力だ。フルサイズに対応したレンズがちょっと大きめではあるが、そこは致し方ない所。APS-Cサイズ機に比べて格段に大きくなってしまう一眼レフに比べ、ミラーボックスのないミラーレス機はフルサイズ化してもそれほど大きくはならない。光学ファインダーがない点も、小型化に貢献しているだろう。
次回は、もうちょっと撮影結果を中心にレポートしたい。
評価機の主なスペック | |
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製品名 | α7(ILCE-7) |
撮像素子 | 35mmフルサイズ 有効2430万画素 |
カラーフィルター | あり |
感度設定 (拡張、マルチショットNRを除く) |
ISO 100~25600 |
AF測距点 | フルサイズ時位相差検出方式:117点 APS-Cサイズ時位相差検出方式:99点 コントラスト検出方式:25点 |
最高連写速度 | 秒間5コマ |
ファインダー | 0.5インチ 約236万画素 視野率100% 倍率0.71倍 |
背面モニター | 3型(92.1万画素) チルト式 |
静止画撮影可能枚数 (付属バッテリー、モニター使用時) |
約340枚 |
本体サイズ | 幅126.9×奥行48.2×高さ94.4mm |
重量(本体のみ) | 約416g |
直販価格(ボディー) | 15万円前後 |
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