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World of Tanksの世界へパンツァー・フォー 第12回

後編:フランス ソミュール戦車博物館 探訪記

シャーマンからメルカバまで戦車200両を一気見してきた!

2014年03月28日 18時00分更新

文● 大塚正諭 撮影●大塚正諭

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「メルカバ」 イスラエル独自開発のメルカバ。エンジンを車体前部に配置し、被弾時における乗員の生存性を高める構造とした。初期型は105ミリ砲を、現行生産型は120ミリ砲を搭載。輸出は行われていない

メルカバ、レオパルド2、Sタンクなど人気車両も!

 最終エリアとなるNATO軍コーナーには現役車両の展示もあり、ドイツのレオパルド1、2やスウェーデンのSタンク、イギリスのチーフテン、イスラエルのメルカバ、アメリカのM41M48M60等が。

 これらの車両は第1世代、第2世代の車両だが、導入国では未だ現役のものもあり、欧米の博物館では展示車両の交換や譲渡を行っている事が多く、自国の車両以外にも他国車両が見られるのが特色。

 ここソミュールには欧米、旧ソビエトの代表的戦車が多く展示されているにも係らず、日本の戦車が1両も無いのが残念な所。まだ現役の74式戦車はともかく、61式戦車などの現役引退車両を送って、博物館同士の交流が出来れば良いなと感じたり……。

「M41」 ウォーカーブルドッグの愛称で有名なM41は第2次世界大戦後にアメリカが開発した軽戦車。76,2ミリ砲1門を搭載し、朝鮮戦争やベトナム戦争などに投入。西側各国にも配備され、陸上自衛隊でも1980年代前半まで使用された。現在でも近代化改修型が台湾などで使用中

「M47」 パットンシリーズの1両であるM47は90ミリ砲1門を搭載した戦後に開発された第1世代の戦車。アメリカでの使用は短期間であり、多くが西側の同盟国に売却ないし供与された

「M48とM60」 M47の後継として開発されたM48は、90ミリ砲搭載型と105ミリ砲搭載型があり西側同盟国でも採用されており、現在も台湾などが近代化改修をして現役。105ミリ砲を搭載したM60はパットンシリーズの最終型として開発され、その性能の良さから導入した多くの国では近代化改修を受け、今でも一線で活躍中

「Pz61」 スイスの国情に合わせて開発されたのが105ミリ砲1門を搭載したPz61。1961年に開発されたため、日本の61式戦車と同世代にあたる。その後、後継車両のPz68が登場し、現在はレオパルド2が主力となっている

「Strv.103」 車体に105ミリ砲を固定した独特の姿をしたスウェーデンのStrv.103。通称Sタンクとも呼ばれており、駆逐戦車や突撃砲ではなく、れっきとした戦車。現在はレオパルド2に更新され、退役した

「カノーネンヤークトパンツァー」 西ドイツが開発した駆逐戦車で、90ミリ砲を搭載。冷戦時代は対ソ連侵攻に備えていたが、駆逐戦車の存在が薄れた事から、一部車両は主砲を外して、対戦車ミサイル搭載型に改修された

「コンカラー」 ソ連のJS-3重戦車に対抗すべく、イギリスが開発したのがコンカラー重戦車で、重量は66トン、120ミリ砲を搭載し西ドイツ駐留軍に配備され、ソ連侵攻に備えていた

「センチュリオン」 イギリスが開発した第1世代の戦車。77ミリ砲、84ミリ砲、105ミリ砲を搭載したタイプが製造され、アジアや中東での活躍が目立った。現在では多くが退役しているが、派生型や近代化改修型は現役

「チーフテン」 イギリス第2世代の戦車として、1960年代中期から開発されたチーフテンは120ミリ砲を搭載し、主に中東方面への輸出が多かった。現代でも通用する性能を有しているが、口径のチャレンジャー配備に伴い、退役した

「レオパルト1」 第2次世界大戦後、西ドイツが開発した初の戦車。105ミリ砲1門を搭載し、東西冷戦の真っただ中でソ連侵攻を想定して開発され、性能の良さから欧州各国などで多数使用された

「レオパルト2」 レオパルト1の後継として開発されたのがレオパルト2。1970年代中期から開発が進み、強力な120ミリ砲を搭載。ドイツ以外の欧州各国やシンガポール、インドネシアで採用された

博物館への道のり~その2
ソミュール城を眺めながらバスで博物館へ

 2013年はパリ市内の北側に宿泊先を予約していたので、地下鉄にてパリ市内南側にあるモンパルナス駅へ。乗車する列車の発着ホームは出発15分前に告知されるので、それまで駅構内で朝食を食べながらのんびりと待機。

 なお、自動券売機等で購入した乗車券については必ず列車乗車前にホームにある黄色の検印機で刻印をする事。これをしなかった場合は不正乗車扱いとして罰金を支払う羽目にある。印刷した乗車券についてはそのまま乗車しても問題ない。

 そして同駅からフランス版新幹線とも言える高速鉄道「TGV」に乗り、約2時間でANGERS ST LAUD(アンジェ・セント・ラウド)駅に到着。ここでソミュール方面へ行く列車のホームを駅員に確認し、ローカル線に乗り換え。列車の中には電光掲示板があり、到着駅名が表示されるので乗り過ごさないように確認しながらおよそ20分でソミュール駅に到着。まずは第一段階クリア!

ソミュールまで行くには、最低でも一度乗り換えが必要。この様な列車で向かうが、乗る前に駅員などに行先を確認したい

フランス国鉄ソミュール駅。駅舎を正面にして右側にバス乗り場、左側にタクシー乗り場がある。駅構内には売店があるので、飲食物の購入が可能

博物館に教えてもらった30系統の路線バスで行く事とし、駅前のバス停で待つ事15分でバスが到着し乗車。町中心部のバス停(CentreVille)に10分程で到着。そこから博物館まで行くには乗換えが必要で、降車した目の前のバス停(同じくCentreVille)に停車中の33系統(HOPITAL経由)のバスの運転手に地図を見せながら確認すると、「これに乗れ」と言うのですぐに乗車。

博物館方向へ向かう路線バス。33番、34番の2路線あるがいずれも市街地を一周する路線のため、10~15分ほどで最寄りのBORETバス停に到着する

博物館最寄となるBORETバス停。この坂道を下って左へ進むと博物館の看板が見える

 バスはソミュール城の側を通り、約10分で目的の停留所(Boret)に。運転手が「この坂を下りて左に行くと博物館の看板が見える」と言うので、お礼を言って降車。坂を下って左手方向を見ると、遠くに戦車の書かれた黄色の看板を発見し、停留所から5分ほど歩いて博物館に無事到着!

 ちなみに中心部から博物館まで行くバスは33、34系統の2路線あり、両線とも1時間に2本ずつ運行している。いずれも市街地を一周する循環路線なので最寄りのバス停(Boret)は必ず通る事から、どちらに乗っても大丈夫。バスの料金は1乗車1,35ユーロ(2013年当時)。バス料金は乗車の際に運転手に支払うのだが、車内には日本のバスの様に両替機はないので、事前に細かく両替するなど配慮したい。

博物館に最も確実かつ早く行けるのがタクシー。ソミュール駅からだと10分程、料金は15から20ユーロ前後

BORETバス停から進んでいくと、この黄色い看板が見えてくる。壁沿いに進むと、博物館の入口がある

 バスで行くのは不安な場合はタクシーが便利。ソミュール駅前にはタクシー乗り場もあるが、時間によっては車がいない時もあるので、その場合は駅員もしくは駅構内の売店にお願いして呼んでもらうのが確実。タクシーの場合、博物館まで約10分、料金は15~20ユーロ程

 博物館からの帰りにもタクシーを利用する場合は、あらかじめ運転手に迎えに来てもらう時間を伝え、連絡先電話番号の書かれたタクシーカードを受け取って置く事。博物館の受付にお願いすれば電話してくれるが、到着まで時間がかかる事もあるので、多少の余裕を持った方がいい。

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