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World of Tanksの世界へパンツァー・フォー 第12回

後編:フランス ソミュール戦車博物館 探訪記

シャーマンからメルカバまで戦車200両を一気見してきた!

2014年03月28日 18時00分更新

文● 大塚正諭 撮影●大塚正諭

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「ARL44」 第二次世界大戦後、フランスが開発した重戦車のARL44。車体や履帯を見ると、ルノーB1bisの面影が伺えるが、これは同車を参考に製作されたため。90ミリ砲を1門搭載し、60両ほど製造されたが、短い期間で退役した

フランス戦車はさすがにバリエーション豊富!

 フランス陸軍が使用する最新鋭のルクレールや現行のAMX30、軽装甲機動車に似たような姿のVBL(パナール)などが展示されているホールには、やはり地元からか、試作車も含むフランスの代表的車両が並べられている。隣には各戦車のエンジンやミッションを展示しており、中にはエンジンの構造が分かるようなスタイルで展示している物も。

「AMX-10P」 フランス軍現用の歩兵戦闘車AMX-10Pは兵員8名を輸送可能。20ミリ機関砲を搭載した基本型以外にもミラン対戦車ミサイル搭載型、90ミリ砲搭載型、指揮通信車型のバリエーションがある

「AMX-13 SS11」 75ミリ砲を搭載したAMX-13軽戦車はフランス陸軍が運用した軽戦車。そのサイズと使いやすさから中東や南米にも多くが輸出された。数多くの派生型があり、この車両は砲身を挟む様にSS11対戦車ミサイル4発を搭載したタイプ

「AMX-30」 フランスが1960年代に開発製造された第二世代の戦車で、元々は西ドイツ、イタリアとの共同開発であった経緯を持つ。105ミリ砲1門を搭載し、戦車回収車、自走砲、対空ミサイル搭載型などの派生型も。この姿から、なんとなく74式戦車に似ていると思ったのは自分だけか……

「AMX-40」 AMX-30の後継として開発されたのがAMX-40。120ミリ砲を搭載し、フランス軍の採用や輸出を狙ったものの、採用国はなく最終的には試作車両4両のみの製造で終了した

「ERC90とAML90」 この2台はフランスの装甲車で、右側の6輪装甲車はERC90。90ミリ砲1門を搭載し、前線での偵察に使用。車体中央のタイヤは車体部に持ち上げる事が可能で、4輪駆動、6輪駆動と状況下に合わせた走行が可能。左側のAML90は90ミリ砲搭載型で、その使いやすさから世界各国で採用された

「AMX-30プルトン」 AMX-30の車体をベースにした派生型は多く生産されたが、中でも変わり種はプルトンを搭載したこのタイプ。プルトンとは戦術地対地核ミサイルで、1974年に配備されたが、射程の短さから1993年頃に退役した

「VAB」 フランスが開発した4輪の兵員輸送装甲車で、指揮車型、迫撃砲搭載型、対戦車ミサイル搭載型、救急車型など多くの種類があり、フランス以外にも中東、アフリカ、南米の国で採用されている

「VBL」 軽装甲機動車を小さくした様に見えるVBL装甲車。任務は前線における偵察で、対戦車ミサイルもしくは軽機関銃を搭載可能。小型かつ性能の良さからアジア、中東、アフリカの国でも使用されている

戦車内部の構造が良く分かるようにしたカットモデル。この車両は自衛隊でも使われたM24チャーフィーで、フランス軍でも使用された

ソ連製のT-34戦車のエンジン。4ストロークV型12気筒の水冷ディーゼルで500馬力を発揮する。戦車のエンジンを見る事は滅多にないので、メカ好きにはたまらない!

海外の博物館はマネキンがお好き!?

 続いてのエリアには車両と共にマネキンが展示してあり、そのマネキンをよく見ると第2次世界大戦における各国の将軍。似ているかはともかく、海外の博物館はマネキン展示で臨場感を出しているのが特徴な感じ。

軽戦車、ルノーR39と並ぶのはフランスの第5代大統領であるシャルル・ド・ゴール。第一次、第二次世界大戦では陸軍軍人として戦い、戦後、第5代の大統領に就任し戦後からの復興を図った。現在ではシャルル・ド・ゴール国際空港やフランス海軍の空母などにその名を残している

アメリカ陸軍の軍人であったジョージ・パットン。北アフリカや欧州戦線で多くの功績をあげ、パットンシリーズの戦車としてその名を残している

ドイツに占領されたフランスにて、連合国軍の支援を受けて活動したレジスタンス。フランスの歴史を語るには欠かせない存在

ドイツ軍人の中で有名かつ評価の高いロンメル。特にアフリカ戦線においてはイギリス軍に勝利するなど砂漠の狐として知られている。乗車しているSd Kfz 11はドイツのハーフトラックで、兵員輸送に活躍した

博物館への道のり~その1
パリからソミュールまでは鉄道チョイス

 パリ市内からから博物館のあるソミュールまで行くには車(高速道路を約3時間)か鉄道(TGVなどで約2時間30分)の2パターン。時間の制約に囚われず、自由にあちこち巡りたい場合はレンタカーの方が都合良いが、筆者は1人で来訪したので、鉄道を選択。

 まずはフランス国鉄(SNCF)のホームページから調べてみると、パリからはTGV、途中駅でローカル線に1回乗り換えすれば到着すると言う事で、わりと簡単に行ける事が判明!

 遠路はるばる博物館に行くなら時間をかけてじっくり見たいので、パリを午前7時台に出発する列車を選択。ちなみに乗車券は日本からフランス国鉄サイト経由でのカード決済購入も可能で、メール送信される乗車券(PDF)をプリンターで印刷すればそれが乗車券となる。もしくは購入に用いたクレジットカードと用紙を駅窓口に持参するか、自動券売機に必要なデータを入力すれば乗車券を発券する事も可能だ。

 不明な場合は駅員に聞けば、券売機の操作方法を教えてくれるので問題はない。割高だが、日本国内でも乗車券販売を扱う代理店もあるので、不安な場合はここで購入するのも手段の1つ。

ソミュール城も現地の観光名所の1つ

 自分の場合はネット決済とプリントアウトと言う手段をとることに。そして、ソミュール駅から博物館までの交通に関してだが、博物館にソミュール駅からの交通手段、休館日、開館時間をメール(簡単な英文でOK)で問い合わせをしたところ、「ソミュール駅から路線バスがあるからそれで来い」と言う、何とも素敵な返事が。まさかフランスまで行って路線バスに乗るはめになるとは(驚きと笑い)。

 と言う訳で、ネットでソミュール市の路線バスについて検索した所、バス会社(Agglo bus)のホームページを発見。しかし、全てフランス語で英語表記は全くなし。翻訳ソフトを介し、何とか時刻表と路線図を探し当て、調べる事に成功。時刻とバス停のデータについては当然プリントアウトをして万全の態勢を整える事に。

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