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World of Tanksの世界へパンツァー・フォー 第11回

前編:フランス ソミュール戦車博物館 探訪記

880両収蔵の戦車博物館に行って戦車にまみれてきた!

2014年03月14日 18時00分更新

文● 大塚正諭 撮影●大塚正諭

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「SU-100とKV-1」 左側の白色車両は100ミリ砲を搭載したSU-100、右側の戦車は76.2ミリ砲を搭載したKV-1重戦車で、登場初期は無敵ともいえる強さを誇った。海外の博物館ではジオラマ風に展示されている事が多く、臨場感たっぷりだ

欧州の博物館ではメジャーなロシア戦車だが……

 あまり知られていない、どちらかと言えば影の薄い存在のイタリア戦車はM15中戦車セモベンテM40自走砲の2両のみが展示。ここでP40重戦車があれば完璧なのだが……。

 次に向かったのはソビエト連邦戦車のエリア。T-34T-55T-62T-72以外にもBMPPT76等の装甲兵員輸送車が。

 旧ソビエト連邦の戦車や装甲車は運用国も多く、長期に渡って運用している国もあり、また各地の戦争や紛争等で鹵獲した車両もある事から各国の軍事博物館でも見られる事が多い傾向にあるが、ここソミュールでの展示は少なめ。意外に感じるものの、代表的な車種は一通り揃っているのでそこはうれしい所だ。

「カルロアルマートM15/42」 イタリアの中戦車、カルロアルマートM15/42は口径47ミリの主砲を1門搭載し、1943年に90両生産され、後にドイツ分として28両生産された。生産数の少なさから、残存数も少ない

「セモベンテM40」 カルロアルマートM13/40の車体をベースとし、III号突撃砲を参考にして開発された突撃砲。リベット止めの装甲や足回りに問題点はあったものの、装甲の厚さと75ミリ砲の信頼性は高く、待ち伏せ攻撃には絶大な威力を発揮した

「RM-70T」 チェコスロバキアのタトラT-813トラックに対地攻撃用ロケットランチャー発射装置を付けた自走多連装ロケット。122ミリロケットを40発搭載し、敵陣地に向けて射撃する現代版のカチューシャ。現在でも東側諸国やアフリカの第3国で使用中

「T-34/76」 ソ連の誇る戦車として名高いT-34。この型は76.2ミリ砲を搭載し、被弾を最小限に留める傾斜装甲、炎上しにくいディーゼルエンジン、荒れた地面にしっかり接地する幅の広い履帯と転輪、そして大量生産に適した構造により約5万8000両が製造された

「T-34/85」 主砲を強力な85ミリ砲に換装し、攻撃力を高めたのがT-34/85。T-34シリーズはその構造と維持のしやすさから、戦後も多くの国で使用され、1990年代中期のユーゴスラビア紛争でも活躍した。現在でも一部の国で現役と言う話も聞く

「BOV3」 旧ユーゴスラビアで開発された装甲兵員輸送車BOVに20ミリ機関砲3問を搭載した自走対空砲。現在でも旧ユーゴスラビア圏諸国で使用されている

「T-72」 な、何だこれは? と思ってよく見ると、第2世代の戦車であるT-72。125ミリ砲を搭載し、攻守ともに優れた旧ソ連製の戦車で、旧東側諸国で多数採用された。現在では近代化改修型や多くの派生型が存在する。これは教育用にカットされた車両で、筆者が初めて見たT-72でもある(笑)

「T-54」 第2次世界大戦終了直後に登場した戦車で、100ミリ砲を搭載。当時の西側戦車とは比べ物にならない性能を誇り、新型戦車の開発が急がれたという経緯を持つ。中国がライセンス生産した59式戦車は当車がベース。少数ながら、現在でも運用している国もある

「T-62」 T-54の改良型であるT-55を発展させたのがT-62。より強力な115ミリ砲を積み、旧ソ連と同盟国を中心に配備が進んだ。北朝鮮の主力戦車である天馬号、暴風号のベースともなった車両。展示車両は砂色であるが、これは湾岸戦争時にイラク軍が使用した車両で、現地で鹵獲したもの

「BMP-1」 旧ソ連が初めて開発した歩兵戦闘車。従来の装甲車は兵員を輸送するのが任務で、武装も機関銃のみと最小限であったが、同車は73ミリ砲を搭載し、歩兵8名の輸送をしつつ、かつ攻撃も可能と言う事で最先端を行っていた。現在でも旧東側諸国やアフリカ諸国などで改良型が現役。この車両も湾岸戦争時にイラクから鹵獲した

「PT-76」 第2次世界大戦時に多くの水陸両用戦車を開発していた旧ソ連だが、いずれの車両も機関銃を主武装としていたため、対戦車戦闘には不十分な性能だった事から開発されたのがPT-76。T-34と同じ76.2ミリ砲を搭載し、海軍歩兵部隊や同盟国に輸出された

次回予告
米英仏の連合国軍車両、そして各国現役車両の写真をたっぷり!

 後編も引き続きソミュール戦車博物館の展示車両を写真多数と共に紹介します。

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