オーバークロックで4.6GHzを突破した製品で
ひときわ温度が低かった2製品こそ最強!
今回エントリーした13製品はロープロファイル式のものを排除し、ある程度冷える中~大型のものを中心に選んだが、2012年以上にCPUのオーバークロック設定を下げないと高負荷テストをパスしなかった製品が増えていた(前回はリテールを含め4製品のみ)。
今年の最強クーラーとして選択するなら、「FX-8350」の4.6GHzを突破したものの中から、CPU温度の特に低かったサイズ製の「ASHURA SHADOW EDITON」と「MUGEN4」の2製品を挙げるべきだろう。
ファンの特性が非常にユニークで、静音性を求めるユーザにも、冷却を求めるユーザにも使い良い製品になっている。ついでに組み立てやすさも格段に進歩している点も評価したい。
アイドル時の静音性重視のために温度の戻りが他製品よりも遅いという特性があるが、それが嫌なら安いわりにバランスの良い性能を示したThermaltake製「NiC F4」をオススメしたい。「Hyper 212X」や「ETS-T40-W」も冷却面では良好だったが、高負荷時のファンノイズが大きい点が気になった。
鬼冷却の需要が減ったと感じる
2013年発売の製品群
以上で2013年「CPUクーラー最強王座決定戦」は閉幕。過去数年にエントリーした製品と比較すると、今年の製品はどの製品も取り付けやすく、テストもスムーズに行なうことができた。
ヒートパイプと大型フィン&大型クーラーという組み合わせに変化はないものの、固定方法は確実に進歩している。実際テスト中に痛い思いをした回数は、1年前よりも確実に減った。
そして、2013年は2012年よりも4.6GHzを突破できなかった製品が増えた点も気になった。この背景は、売れ筋CPU、つまりCore iを中心にTDPが80W前後に落ち込んできたのが原因と考えている。
LGA 2011系統やAMDのFXシリーズもあるが、メインストリームのCore iは世代交代とともにTDPを徐々に下げている。昔ほど馬鹿みたいに強力なクーラーでも十分なのだ。ZALMANの「FX-100」や、今回マザーボードに干渉して取り付けできずテストできなかったThrmalrightの「HR-20」などは、こうしたCPU情勢のあらわれかもしれない。
ただしCRYIORIG製の「R1 Ultimate」のように爆音&強冷却なハイエンドクーラーの血筋は絶えていないので、今後のCPUクーラーは個性や持ち味を正しく解釈して、自分のシステムに組み込んでいくのがより重要になる、といえるだろう。
この連載の記事
-
第3回
PCパーツ
定番メーカー勢揃い 2013年CPUクーラー王座決定戦【第3回】 -
第2回
PCパーツ
大御所ガチンコ対決 2013年CPUクーラー王座決定戦【第2回】 -
第1回
PCパーツ
最強の空冷はどれ? 2013年CPUクーラー王座決定戦【第1回】 -
第-1回
PCパーツ
2013年CPUクーラー最強王座決定戦 - この連載の一覧へ