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「安心・信頼・高品質」に本気なNTTスマートコネクト 第1回

IX直結!都市型ならではのロケーションも売り

ミスト冷却が新しい!NTTスマートコネクトの大阪DCへ潜入

2014年02月19日 14時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp 写真●曽根田元

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屋外から取り込んだ外気をミストで冷却するというユニークな実験を進めているデータセンターが大阪にあるという。今回は実験を行なっているNTTスマートコネクトのデータセンターにTECH.ASCII.jpのオオタニが潜入。実験の背景についても聞いてきた。

立地も堅牢性も最高なデータセンターが大阪にあり

 データセンターの省エネを実現するには、冷却にかかるコストを削減するのが一番。そのため、昨今多くのデータセンター事業者が取り組んでいるのが、空調機を使わず、外気でIT機器を冷却する「外気空冷」である。この外気空冷にミストを使った冷却を組み合わせた「ミスト併用直接外気空冷システム」を構築し、実証実験※を行なっているのが、NTT西日本グループのNTTスマートコネクトだ。まずはNTTスマートコネクトのデータセンターや実験の概要を90秒の動画でチェックしてみよう。

※共同実験:NTTファシリティーズ株式会社  協力:株式会社日設

 NTTスマートコネクトは、データセンターのハウジング事業、ホスティングやレンタルサーバーなどのクラウドサービス事業、そして高い実績を誇るストリーミング事業という3本柱でビジネスを展開している。これらサービスの基盤となるのが、大阪市内にある同社のデータセンターだ。

 大阪データセンターの特徴を表わせば「本格派」とでも言えようか。まずは都市型ということで、なんといってもアクセスがよい。JR西の大阪駅や梅田駅から徒歩で歩いて行けるし、地下鉄の駅も5分圏内。「コンビニまで車で行かないと……」とか、「往復の交通費が●万円……」といった、郊外型データセンターとは違う利便性が大きな売りだ。高速道路の降り口からも近いため、機器の搬入にも好都合とのこと。

 また、「JPNAP大阪」「NSPIXP-3(大阪)」の2ヵ所のIX拠点とギガビットで接続されており、ネットワーク的なロケーションも実は最高。関西における「ネットワークの交差点」で、東京でいえばまさに大手町のような場所なのだ。NTTスマートコネクト IDCビジネス部 アシスタントマネージャー 原 幸之助氏は、「ハウジング事業はIXとの接続がポイント。複数の大手ISPと直接ピアリングしており、ダイレクトでつながっているのが強みです」と語る。

NTTスマートコネクト IDCビジネス部 アシスタントマネージャー 原 幸之助氏

 ファシリティ面も充実している。阪神淡路大震災の時にも大きな損傷を受けることなく、電力を供給し続けた高い耐震性と堅牢性を持ったNTTビルを採用することで、高い耐震性を実現。もちろん、電力系統の冗長化を図っているほか、無停電電源装置(UPS)やガスタービン式の自家発電装置を設置。災害や事故などでビルへの電力供給が停止しても、無遮断でサービスを継続できる。「ネットワークも地下の“とう道”を経由しているので安心です。また、人員の安全確保のため、100人分の備蓄品が1週間用意しています。BCPのポリシーに従ったマニュアルを用意しており、定期的に訓練も実施しています」(原氏)とのことで、設備や体制面もバッチリだ。なお、DRに最適なデータセンターとはなにか? NTTスマートコネクトのデータセンターはなぜDRに向いているのか? 以下のコンテンツも一読願いたい。

 10年に渡って安定動作を実現してきた運用管理にも定評がある。原氏は、「運用も24時間・365日で技術者が常駐していますし、遠隔でラックの電流や温度も監視しています」と語る。ハウジング用途では人の出入りが多いため、セキュリティも厳重。対人認証や静脈認証、サークルゲートなどを導入しており、生体認証はすでに10年前から運用しているという。まさにプロ向けのデータセンターと言える。

大阪データセンターのサーバールームってこんな感じ

 今回は、同社のデータセンターのサーバールームにお邪魔した。本番運用中と言うことで、すべてを写真に収めてきたわけではないが、セキュリティ関連の設備やラックの設置環境などをチェックできたので、ご覧いただきたい。

サーバールームの入室には生体認証を使っているので、登録していない人は入れません!

友連れも不可能な「サークルゲート」。カードをかざすとまずは手前の扉が開く

中に入ると、手前の扉が閉まる

手前の扉が閉まったら、床の足形に合わせ向こう側に正対

これで向こう側の扉も開く。さすがに厳重!

サーバールーム内に整然と並ぶラックたち。高さは42Uとのこと

ハウジングなので、顧客の用途にあわせ、さまざまなサイズのラックが用意されている

1/8ラック(4U)

1/4ラック(9U)

1/2ラック(20U)

もちろんフルサイズ(42U)のスタンダードラックも用意されている!

標準ラックの上部には冷却ファンを装着

ラックの下を外すと床下配線になっている

もちろん列ごとに監視カメラを用意しています

 このようにNTTスマートコネクトのデータセンターは、都市型データセンターならではの利便性、企業の基幹システムやインターネットビジネスを支える信頼性、ハウジングを前提とする強固なセキュリティをガッチリ備え、高い安心感をユーザーに与えてくれる。「3・11以降は東京のお客様がDR拠点としてお使いになることも多いですし、運用までお手伝いさせていただくことも増えています」(原氏)。

(次ページ、ミスト冷却を併用することでより大きな省エネへ)


 

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