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薄くて自在に曲げられる発電素子の開発へ

首都大など、カーボンナノチューブによる熱発電素子効果を発見

2014年01月31日 16時14分更新

文● 行正和義

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SWCNTを分散させた2種類のペーストを基盤(厚紙)に塗布するだけで作ることができ、一端を手のひらで温めると約2.6mVの電圧が発生した 

 首都大学東京および東京理科大学、産業技術総合研究所 の研究チームは高純度の半導体型単層カーボンナノチューブフィルムが、熱を電気に変換する優れた性能をもつことを発見した。

 熱電変換材料としてのカーボンナノチューブ(CNT)、とくに一次元性のナノ炭素材料「単層カーボンナノチューブ(SWCNT)の熱電特性を研究。螺旋構造を持つSWCNTは螺旋の巻き方によって電気的特性が異なり、金属型(m-SWCNT)と半導体型(s-SWCNT)に大別され、従来では混在した状態で研究が行われていた。本研究ではs-SWCNTを高純度に濃縮する技術を用いることにより、金属型と半導体型の混在比を調整したフィルムを開発した。

(a)半導体型ナノチューブの割合とゼーベック係数S/(b)SWCNT間結合部の電子状態の様子(例) 

 s-SWCNTの割合によって熱を電気に変換する効率を表すゼーベック係数が10倍以上変化することを発見。割合によっては実用熱電材料に匹敵する170μV/Kが得られた得られた。この巨大ゼーベック効果がどのようなしくみで生じたのかを理論的シミュレーションを行っており、フィルム内にあるSWCNT同士の接触部分が重要な役割となっていると考えられるという。通常、SWCNTは独自の熱伝導性を持つため熱電材料としては利用しにくいが、界面制御を工夫することが今後のCNT系熱電素子の研究開発につながることが分かったという。

 現在先進国ではエネルギーの約2/3が排熱として捨てられていると言われ、熱電素子などで排熱を効果的にエネルギーとして回収することが重要になりつつある。CNT熱電素子は柔軟で室温近くで動作することから応用範囲は広く、産業用などの配管に巻きつける断熱材からのエネルギー回収、体温で発電する衣類といった高い可能性を持っている。

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