このページの本文へ

注目は最強のアプリ、NAMMショーのベストバイを掘り下げる

2014年01月30日 17時00分更新

文● 四本淑三

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

音に期待がかかる8ボイスのドラムマシーン「Elektron:Analog Rytm」

Analog Rytm

 アプリの後は実在するホンモノのガジェットです。8ボイスのドラムマシーンで、それぞれにアナログ音源とサンプリング音源を割り振るというもの。各ボイスにフィルターやディストーションのようなエフェクト、マスターエフェクトとしてもコンプやディストーションも入っているので、かなり強力な音が作れそうであります。発売は今年のQ1、価格は1549ドル。なるほど、iPadとアプリの組み合わせって、相当に安いのだなあ、ということを実感しますが、きっとこれ、音を聴いたらぶっ飛ばされそうです。

ワイヤレスが魅力のMIDIコントローラー「QUICCO SOUND:G.16」

G.16

 ICON.jpさんのレポートで初めて知りましたが、日本の大手楽器メーカーを退職されたみなさんによる、新しい楽器ベンチャー「QUICCO SOUND」が発足した模様。現在開発中のBluetoothのMIDIコントローラーは、見た目もかなりイケていますが、Bluetoothというところに強く惹かれます。

 だってねえ、MIDIの入力するのに、いちいちカメラコネクションキットだの何だのをかませて、パッドをつなぐのってダサくないですか? 相手はクラウド端末なんだし、多少のレイテンシーはあっても無線で行きたいところ。これはiPadアプリの相棒として期待したいです。もちろんQUICCO SOUNDの今後にも!

こっちはCV/GATEにも対応のMIDIコントローラー「Arturia:BEATSTEP」

BEATSTEP

 とはいえMIDIコントローラーといえば有線でしょ、無線じゃレイテンシーが気になるでしょ。と、なんだかんだ言いつつワイアードのコントローラーに惹かれる私のポリシーは脆弱です。いや、でもこれはワイアードである必要があるんです。だって、このコントローラーはMIDIはもちろん、CV/GATE対応なんだもの。ステップシーケンサーを内蔵しているので、アナログシンセをブイブイ言わせつつ、アプリをバチバチ鳴らすなんて芸当ができそう。99ドルで3月末発売。

演奏用のピッチアシスト付きで刷新「Moog:Theremini」

Theremini

 テルミン。みなさんご存知でしょう。アンテナに手を近づけたり遠ざけたりすることで、音程や音量をコントロールする、電子楽器の黎明期に登場して今なお実際に使われ続けている、あのシンセサイザー界のシーラカンスのようなもの。

 静電容量の変化で音程をコントロールするため、周囲においてあるモノや、電気製品の動作から大きく影響を受け、チューニングは常に不安定。そもそもアンテナで音程自体を正確に操作するのが難しい。

 ゆえに上手いテルミン奏者は尊敬されるわけですが、楽器の扱いは面倒だし、挫折してテルミンの前から去る者も絶えません。うちのテルミンもたまに引っ張りだされては、ゴミ寸前の扱いに戻ることが常態化しております。

 そこをどうにかしようというのが、長年テルミンを製造し続けてきたモーグ社であります。オシレーターはアナログながら、現代的なセルフチューニング機構も付いています。なにより新しいところは、演奏用のピッチアシストが付いたところでしょう。

 テルミンといえば非接触型楽器で、中空に手をかざしてその微妙な動きで音程を制御するわけですが、それで素人が音階を奏でるのは至難の業。しかしこれは無造作に動かしても、「ドレミファソラシドー」という感じで、スケールを奏でることが可能です。さらには、そのスケールも自由に設定できるので、これは3D実空間に仮想グリッドを置いたKaossilatorのようなもの、と考えることもできます。

 ただ、これは熟練したテルミン奏者からは文句も出るでしょう。だって、下手なボーカルにAuto-Tuneをかけるようなものなので。実際どうなのかぜひ試してみたい。価格も319ドルとお安い感じなのもよろしいです。これでまた何度目かのテルミンブームがやってきたりして。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン