文字通り聖地巡礼のお伊勢参り!
今年の初詣の社として選んだ、伊勢神宮。じつは「伊勢神宮」とは単一の神社を指す言葉ではなく、伊勢市を中心として三重県内に125社ある別宮、摂社、末社、所管社を含めた総称だったりする。それらの中心となるのが天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)を祀る皇大神宮(内宮)と、豊受大御神 (とようけのおおみかみ)を祀る豊受大神宮(外宮)の2社だ。
日本書紀によれば、第11代垂仁天皇の第4皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が天照大神を祀る場所としてこの地に社を築いたのが起源とされ、以来この場所は日本全体の鎮守として多くの人々の崇敬を集めてきた。平安時代以降は民衆の間でも「お伊勢参り」が一種のレジャーとしてもてはやされ、諸街道が整備された江戸時代には全国的に伊勢参りがブームに。伊勢の町は多くの旅館や土産物店が軒を並べ、その賑わいは十返舎一九が記した「東海道中膝栗毛」など数々の作品で知ることができる。
本来なら外宮→内宮の順番で参拝するのが正しい順番らしいのだが、両社は約6km離れていて徒歩50分。車で移動しようにも、初詣客で駐車場渋滞が起きはじめている現状では無理そうだ。今回は時間もないので、いきなり内宮に突撃だ。
30分ほどの駐車場渋滞を抜け、初詣客でごった返す門前町で揉まれながら、やっとのことで内宮神域の入口である宇治橋に辿り着いた。この時点で筆者の体力は限界寸前、なにしろ前日のコミケからこっち、途中で1時間ほど仮眠しただけの身体なのだ。毎年のことながら、元日の朝が一番堪える!
伊勢神宮では、20年に一度のスパンで正殿をはじめとする多くの建物を新しく造りかえる「式年遷宮」という行事がある。これは伊勢神宮でも最大の行事で、最も新しい第62回式年遷宮では2005年から準備が進められ、その最後を飾る正遷宮(神体を新しい正殿に移す行事)は昨年2013年に行なわれた。今年は式年遷宮から最初の正月とあって、新しい正殿で参拝しようと例年よりも多くの初詣客が訪れたようだ。
伊勢神宮での初詣を終えて、今年の年末年始取材をすべてコンプリート。お土産にお伊勢参りの名物「赤福餅」を大量に買い込んで、筆者は実家に向けて最後の道程を走っていった。まるまる2日間に渡った取材で走り回った距離は約600km。毎回やたらと無茶振りをしてしまう企画だが、今回も大変な取材だった……。
今回は「艦隊これくしょん」つながりで「海」をテーマに置いて、東海道を股にかけた取材旅行となったが、横須賀のニューイヤー花火に伊勢湾海上の初日の出、それに古式ゆかしい伊勢神宮の初詣と、現代の日本の年越しの様子を存分に楽しむことができた。筆者と同じ行程をたどるのはちょっと大変だけど、ぜひ来年の年越しの参考にしてもらえれば幸いだ。
今年も各地のアニメ・ゲームの聖地を訪問する旅を続けていこうと思っているので、皆様よろしくお願いいたします。
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