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マイクロソフト・トゥディ 第78回

「フリーターこそが、これからの正社員である」—日本MS 樋口社長・パソナ南部代表対談

2014年01月17日 21時00分更新

文● 大河原克行

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ダブルキャリアで、仕事とやりたいことを両立する

南部 これはダブルキャリアを持つという提案となります。今は、音楽をやりたくても、それをあきらめて別の仕事をしなくてはならないという状況にあります。しかし、仕事の選択肢が2つ、3つに増え、何かしらの仕事をしながら、2つめのキャリアとしてやりたいことができる。

 例えば現在、淡路島では半農半芸という取り組みを開始しています。午前中は農業をやって、自分が生活する分を稼ぎ、午後は好きな音楽をやるというものです。最初は30人でスタートしましたが、漫画家、アーティスト、陶芸、カメラマン、音楽家などが参加して、今では280人が参加しています。仕事だけに追われるのではなく、幸せと豊かさを得ることができるものだといえます。

樋口 もともと日本には、大きな会社に入ることがいいことだ、という風潮があります。その会社が自分に合っているのか、合っていないのかは別にして、大きな会社に入り、我慢して社会人生活を送るという人も少なくないですよね。それでも、経済が成長していたから、自分を納得させていたところもあったと思います。だが、企業が置かれた立場が大きく変わり、大きな会社に就職すれば安心という考え方は、もはや限界に達していますね。

南部 私の息子は海外経験が長いせいか、面接の場で、知らない会社に「骨を埋める覚悟だ」などとはとても言えないといっていますよ(笑)。実際に見てみると、会社に入ってからも競争に追われて、自分の時間が取れず、好きな趣味ができないという人が多いですね。

樋口 パソナでの淡路島での取り組みや、1年中船に乗って、釣りをしながら経営を行なうというのは、まさに、仕事と、やりたいことを両立するものですね。

南部 しかし、今の日本の社会では、ダブルキャリアは評価されないのが実態ですし、フリーターに対する評価も低い。米国と、日本ではそのあたりの認識が大きく異なりますね。


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