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myrmecoleonの「グラフで見るニコニコ動画」 ― 第17回

2013年は再生数増加・投稿動画数減少~CGMから視聴寄りへ?

現在のニコ動は会員3800万、投稿動画8万日分、460億回再生!

2014年01月16日 11時00分更新

文● myrmecoleon

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データで見るニコニコ動画の2013年

 毎年12月上旬に同様のデータを収集していますので、過去1年間の数字を差分(2013年12月時点の数字から2012年12月時点の数字を引いたもの)で見ると、2012年12月から2013年11月の期間ではおよそ88億回動画が再生されたようです。実際には過去の動画の削除が引かれていますので、もう少し多いです。

 ちなみにこの期間に新規に投稿された動画だけの数字でみると、再生回数の合計は約48億回でした。88億に対して48億とおよそ半数です。このことから、2013年中のニコニコ動画の動画再生の半数近くは2012年以前の過去の動画を見ているものと推定できます。

 同様に、差分ベースで見るとコメント数は約2億6000万、マイリスト登録数は約1億2500万。対して新規投稿ベースではコメント約2億、マイリスト約1億となります。こちらも削除の影響はありますが、再生数と比較するとコメント・マイリスト登録は最近の動画にされている傾向が強いようです。

 ちなみに1年間の動画投稿数は新規投稿ベースで203万、差分ベースで162万でした。2012年11月以前に投稿された約40万の動画がこの1年間で削除されたようです。

 比較のため、過去の年間の数字とこれを比べてみましょう。なおデータは2012年12月から2013年11月のように若干ずれていますが、これを2013年分、以下1年ずつずれたデータを2012年・2011年というかたちでここでは扱っていきます。またデータの取得時期や対象範囲は毎年若干違いますので、おおざっぱな比較である旨をご了承ください。

 2010年の数字を1として、差分ベース・新規投稿ベースの双方で各年の数字を比較したのがグラフ3です。

1年間の投稿動画数・合計の再生数・コメント数・マイリスト登録数について、前年との差分をとった値と1年間に投稿された動画の数字を合計したものをそれぞれ取り、2010年の値を1として増減を見たグラフ。データは2009年12月がもっとも古いので、差分は2010年以降、新規投稿は2009年以降のデータを出しています

 上から見ていくと、新規投稿分のマイリスト登録数は年々増加しているようです。新しく投稿した動画につくマイリスト登録の総量は2009年以降、年々増加しています。

 一方で差分をみると2010年以降むしろ減っているようです。これはニコニコ動画のマイリスト登録がユーザーごとに有限の数字(一般会員は100件、プレミアム会員は1万件が上限)のため、長期間ニコニコ動画を使っているユーザーは過去動画のマイリスト登録を削りながら新しい動画をマイリスしている実態を示してるのでしょう。

 年間の再生数は2009年から2010年は増加、2011年で一旦減少していますが、2012年以降は再び増加しています。差分・新規投稿ともに、2013年はニコニコ動画全体でもっとも動画が再生された年です。

 ただ2012年から2013年の差分と新規投稿の変化をみると、差分の増加(過去の投稿動画の再生を含む数字)が新規投稿(含まない数字)よりも高い倍率を示しています。上記したとおり2013年の動画再生の半数は2012年以降の投稿動画にされたものでしたが、この傾向はそれ以前もあったものの、2013年は特に大きかったことが伺えます。

 「原宿廃止古参祭り」なんてのもありましたが、2013年は過去の動画が再生される傾向が全体に高まった年でもあったようです。一方で新規投稿も再生数自体は増加しているようです。

 動画の投稿数は2011年をピークに2012年、2013年と減少しています。動画はよく見られるようになっている一方で、動画の投稿自体はゆっくり減っているようです。差分と比較すると2012年の動画数が急激に落ちていますが、新規投稿でその傾向がないところを見ると、2012年は特に過去の動画が大量に削除された年でもあったようです。

 コメント数については差分・新規投稿ともに同様に減り続けています。減少の傾向自体は2010年以前から継続したものですが、特に2011年以降は大きくコメントが減っていることが伺えます。再生数自体は増えていますので、年々コメントをするユーザーが減ってきているのでしょう。

 動画の投稿数でなく月ごとの動画を投稿したユーザー数で見ると、動画の投稿者の数は2011年の中頃にピークを迎え、以降は波がありつつ(3月は学生が春休みに入るためか投稿者が急増するようです)、傾向としては減少に向かっているようです。

各月について投稿動画のユーザーIDのユニークな数をカウントして並べたもの。すでに削除された動画を含むが、短期間で削除された動画や2008年以前に削除されている動画については漏れている。基本的には投稿動画数と似た傾向を示している

 最後に2013年によく再生されたタグをみてみましょう。グラフ5は新規投稿ベースでおもなタグの2013年の新規投稿動画の総再生数を高い順に並べたものです。データのあるものについては参考のため2012年の値をのせています。

 2013年からヒットしたタグとしてはやはり過去の連載でも取り上げた「進撃の巨人」「艦隊これくしょん」が挙げられます。特に「進撃の巨人」の動画は「VOCALOID」「東方」と並ぶ規模まで見られていたようです。

 数としては投稿数の多いカテゴリタグの「ゲーム」が一番大きく、また再生数も増えています。ゲームカテゴリに入る「実況プレイ動画」も再生規模は伸びているようです。同じく「ゆっくり実況プレイ」も増えていますが、勢いは落ちている印象です。

 「アニメ」タグも2013年に大きく伸びています。関連タグでは「MAD」タグの伸びが大きかったようです。「進撃の巨人」もアニメ関連のタグです。

 その他では「MikuMikuDance」「ラジオ」「政治」「描いてみた」タグの再生規模の伸びが大きかったようです。「MikuMikuDance」は「進撃の巨人」「艦隊これくしょん」の動画投稿も多く、近年は新しい作品人気の牽引役となっている印象です。また「進撃の巨人」は女性向け人気が高く、これと親和性の高い「描いてみた」の人気が高まったのが推測されます。

 ちなみに「VOCALOID」タグは新規投稿で見ると再生数が下がっていますが、差分で見ると増加していました(2013年は新規で2億再生、差分で5億再生程度。2012年は差分で3.8億程度)。「VOCALOID」タグの動画全体の場合、2013年の動画再生の6割は2012年以前に投稿された動画にされています。過去にも取り上げましたとおり、ボカロ動画は従来よりもよく再生されていますが、多くは過去の動画を見ているようです。同様に過去動画がよく見られているタグとしては「東方」「音楽」「アイドルマスター」などがあります。

継続的に調査しているおもなタグそれぞれについて、2013年12月時点の過去1年間に投稿された動画の再生数を合計した値のグラフ。また参考に、2012年12月の同様の数字を2012年分として載せている

 以上をまとめると、動画は以前と比べてよく見られるようになっている(再生数・マイリスト登録数は全体に増加)一方で、コメントは継続して減っているようです。また動画の投稿数・投稿ユーザー数は2011年頃をピークに減少傾向にあり、ニコニコ動画が投稿者寄りから視聴者寄りになっている様子が伺えます。

 作品としては、2013年は「進撃の巨人」「艦隊これくしょん」が大きくヒットしました。従来から人気のあるタグでは「実況プレイ動画」「MikuMikuDance」「MAD」の人気が高くなっています。2012年に人気のあった「ゆっくり実況プレイ」は依然人気は高いのですがやや停滞、従来人気の高かった「歌ってみた」は減少、「VOCALOID」「東方」「アイドルマスター」などは全体の再生数は増えているのですが、最近の投稿でなく過去の動画の視聴が多くなっているようです。

 データで見ると2013年のニコニコ動画には以上のような傾向がありました。今後もこうした傾向が進んでいくのか、それとも2014年に新たな動きがあるのか、これからも注目していきたいと思います。

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