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12月27日までに2万3000事業所突破

クラウド会計サービス「FREEE」が躍進した理由

2013年12月30日 07時07分更新

中野克平/アスキークラウド編集部

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 クラウド型の会計サービスを提供するフリーは12月27日、アスキークラウドの取材に対し、今年3月のサービス開始以来利用者が順調に増え、12月27日までに2万3000事業所を突破したと明らかにした。新年早々には2万5000事業所に届く見込みだ。

フリー代表取締役の佐々木大輔社長
フリー代表取締役の佐々木大輔社長

 フリーは、2013年度GOOD DESIGN AWARDなど受賞し、8月の有料化以降も普及が加速。同社代表取締役の佐々木大輔社長は「2013年は、中小企業のクラウド化が前進した年。カード決済、EC、クラウドソーシングなど、ビジネスのバリューチェーンをカバーするサービスが揃ってきた」と総括した。スクエアなどのモバイル決済、Yahoo!ショッピングの出店料無料化、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングによるスケーラブルな発注、そして自社の看板サービスであるフリーにより、会計業務が簡略化。少人数でも大規模なビジネスに挑戦できる環境が揃い、経営者が創造的な活動にフォーカスできるようになったと見る。

スモールビジネスがクラウド化する環境が整った
スモールビジネスがクラウド化する環境が整った

 会計を簡略化する方法は単純だ。フリーに対応する金融機関やクレジットカードであれば、Web明細やCSVファイルで入金履歴を取り込み、出金履歴を自動仕訳して確定申告に必要な書類一式を自動生成する。「クレジットカードを使うと会計処理が楽になるので、フリーの利用者はカード決済が増える傾向がある。カード会社にもメリットがあるので、ダイナースクラブ ビジネスカード(シティーカードジャパン傘下)のように、公式に提携関係にあるカード会社もある」という。

フリーの対応サービスは拡大中
フリーの対応サービスは拡大中

会計処理の手間が大幅に減る

 佐々木社長によれば、フリーを使った場合、会計処理にかかる時間は50分の1に減る。サービス開始当初から注目していたライターでWebマーケティングのコンサルタント会社を経営する山田案稜氏は「経理処理の効率は、実際に数十倍になる。今年前半の、フリーを使う以前の会計処理には大変な労力がかかるが、今年の後半分についてはほとんど手間がかからない」という。威力に感嘆した山田氏は『世界一ラクにできる確定申告~全自動クラウド会計ソフト「freee」で仕訳なし・入力ストレス最小限!』(技術評論社刊、本体1580円+税)という書籍の執筆まで買って出た。

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「3月の確定申告、4月の消費税率アップで、フリーには追い風が吹いている。また、会計ソフトをウィンドウズXPで利用している場合も多い。4月のサポート終了移行、パソコンを入れ替えるついでにフリーへの移行を検討する個人事業主や会社も増えるだろう」(佐々木社長)と勢いは止まりそうにない。

躍進の理由

 フリーの躍進について山田氏は「Webマーケティングの世界では、Webで完結しているのが当たり前。マーケティングの会社を経営していると、会計がとても面倒。いままでの会計ソフトは、経理の専門家、会計士の意見を聞いて、ちょっと個人事業主の意見を聞くだけだろう。フリーは、経理を仕事にしていない人向けの使い勝手がよい。そこが受けたのだろう」と分析する。佐々木社長によれば、フリーの顧客はWeb系クリエイターやマーケター、不動産などのいわゆる「士業」、新規に店舗を開設する事業社が3分の1ずつ占める。もともとWebに感度が高く、フリーの存在に早くから気付いた人や、新規に店舗を開くネット時代の起業家、会計に手間をかけたくない小規模事業所に受け入れられたようだ。

 フリーの利用料は3カ月分のデータを保持する事実上のお試し版は無料、青色申告に対応する個人事業主プランが月額980円、会社準拠の決算書に対応する法人プランは1980円と、既存の会計ソフトに比べると年額では大差ない。使い勝手にこだわり、積極的な営業はせず、地道に利用者を増やしていく方針だという。

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