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データで見る IBMがアマゾンAWS追撃にこだわる理由

2013年12月31日 07時00分更新

福田 悦朋(Fukuda Yoshitomo)/アスキークラウド

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 IBMにとって、パブリッククラウド市場でアマゾンを追撃し、プレゼンスを高めるのは、売上の持続的な成長を維持するうえで必須の戦略と言える。
 2012年、IBMの総売上は1045億ドルで前年比2%減。2013年第3四半期の売上も、前年同期比4%減の237億ドルにとどまった。このマイナス成長の主因の一つとしてIBMが挙げるのは、メインフレームサーバ「System z」を除くハードウエア部門の不振だ。背後には、仮想化による統合化や製品単体の高性能化が進展したがゆえに、サーバ製品の販売が世界的に下降線を辿っていることと、パブリッククラウドへと流れる企業ITの動きがある。
 実際、米国調査会社ガートナーが2013年2月に公表したレポートによれば、2013年の世界におけるパブリッククラウド市場は対前年18.5%増の1310億ドル規模に達するという。なかでもIaaSの市場は2013年もハイペースでの成長を持続し、2012年の61億ドルから90億ドル規模へと拡大すると同社は見ている。

IBMとAmazonの収益推移(総売上)
IBMとAmazonの総売上推移を比較

 また、パブリッククラウドサービスの成長は国内でも同様に進み、調査会社のIDC Japanは、2013年における同市場が前年比39.4%増の1321億円規模になり、2017年には3376億円に達すると予測している。
 もちろん、IT市場全体から見れば、現時点のパブリッククラウドサービスの市場規模はそれほど巨大ではない。例えばIDC Japanは、2013年の国内IT市場全体が前年比0.1%増の13兆8288億円になると予想しているが、パブリッククラウドサービスの市場は、今のところ、その100分の1にも満たない計算になる。とはいえ、低成長が続くオンプレミスIT市場と比すれば、パブリッククラウドの成長率はきわめて高い
 この成長市場で、アマゾンAWSがこの先もリーディングベンダーとしてのポジションをキープすれば、結果的にIT市場全体での同社の支配力が一層強まるのは必至だ。
 現時点では、AWS単体の売上は明確になっていない。ただし、アマゾンの総売上はパブリッククラウド市場の勢いをそのまま反映させたかのように急拡大を続けている。2012年、同社の売上(連結)は前年比27%増の611億ドル(対前年27%増)を達成した。また、本稿執筆時点(2013年12月現在)の直近四半期である2013年第3四半期決算も171億ドルを売り上げている(前年同期は138億ドル)。この売上増のすべての要因がAWSにあるわけではないだろうが、AWSが少なからず寄与しているのは間違いない。

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