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小型でステレオ音場の再現性をどう上げているのか?

ステレオ音場がカギ? 注目のBluetoothスピーカー3機種比較

2013年12月22日 12時00分更新

文● 四本淑三 

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「ひとつで十分ですよ」と割り切ったモノラル仕様の「Olasonic TW-BT5」

モノラル仕様という意外なパッケージで登場したTW-BT5。NFCでのペアリングに対応。メインのドライバーユニットは50mm。サイズは高さ152mm×幅87mm×奥行き87mm、重さは480g。内蔵リチウムイオンバッテリーは約2.5時間でフルチャージ、約6時間の駆動が可能。充電用のUSBケーブルとACアダプターが付属する

 1万円を切る価格ながらミニコンポ並みのハイファイ再生を可能にしたUSBスピーカー「TW-S7」などでおなじみ、日本のOlasonicもついにBluetoothスピーカー「TW-BT5」を発売した。

 価格は1万円を切って相変わらず安い。そしてスピーカーの形は、音の回折や定常波の低減、剛性確保の点で有利な、おなじみの卵型。通常はキャパシターに電力を貯めておき、大きな入力信号が入ると瞬間的に放電する、おなじみのスーパーチャージドドライブシステムも搭載。内蔵バッテリーで10Wの出力を発揮する。

 これは音も期待できるぞと思いきや、何か様子がおかしい。左右ペアであるはずなのに、報道資料にはスピーカーが1台の写真しかない。左右は有線接続でステレオペアなのだろうとばかり思っていたら、よくよく見るとモノラル仕様のBluetoothスピーカーなのだった。

 背面には左チャンネル用のスピーカー端子があり、これでスピーカーを増設すればステレオ再生が実現できるという。しかし実際には、この「TW-SP5」と呼ばれるスピーカーの発売は「2014年春の発売を検討中」ということで、設計は終わっているものの、まだ具体的な生産計画は進めていないらしい。これは一体どういうことなのか。

背面には「Lch Speaker Out for TW-SP5」という3.5mmミニジャックのスピーカー端子がある。パッシブラジエーターの口径は53mm

 ところが、実際に音を聴いてみて、完全に一本取られた。今回比べたスピーカーの中ではダントツに音のバランスがいいのだ。基本的な構成はTW-S5と同じながら、ディフューザーの形状を見なおし、パッシブラジエーターの口径を45mmから53mmに拡大して背面をプレッシャーボードで覆うなど、音質面でのブラッシュアップも図られている。

 モノラルながらスピード感のある再生音、そして解像感は他のバッテリー駆動のポータブルなスピーカーとは一線を画す。スマートフォンと組み合わせて聴くなら、これで十分以上ではないかと思える。

このスピーカーのためにディフューザーの形状も見直された。スピーカーに正対する赤いコーンがそれ。直進する高域の成分を拡散して、スピーカー正面以外にもバランスよく聴けるポジションを広げる効果がある

他社製品も含め、従来はパッシブラジエータの背面は開放されていたが、プレッシャーボードを置くことで空気の振動が抑制され、低域をダンピングすることができるという

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