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株価の爆騰を呼んだオンキヨーのHEMSとは?

2013年12月09日 16時00分更新

文● 石山俊浩(ISHIYAMA Toshihiro)/アスキークラウド編集部

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 オンキヨーといえば音響機器の老舗で、最近ではPCや周辺機器分野でも目にするようになったメーカーだ。2013年3月期の売上高の比率は、オーディオ・ビシュアル関連製品が72%、車載用や家電用のスピーカーのOEM製造が23%、残りの5%がPC事業や家庭用及び業務用電気製品。嗜好品に分類されるAV機器の比率が高いことから、景気の影響を受けやすいと言えるが、裏付けるように売上高は544億(2011年3月期)、451億(2012年同)、368億(2013年同)と右肩下がりの状況だ。

 そんなオンキヨーの株価が、6日に爆騰した。

 背景には、ホームエネルギー関連分野への本格参入を発表した、子会社のオンキヨーディベロップメント&マニュファクチャリングの存在がある。具体的には、HEMS(Home Energy Management System)製品のブランドである「ONKYO ELE(オンキヨーイーエルイー)」を立ち上げ、ホームエネルギー関連機器を製造・販売するという。HEMS市場は、家電、自動車、ハウスメーカーなど様々な企業で形成されており、今後の拡大が期待できる有望なジャンルだ。

 「ONKYO HEMS(オンキヨーヘムス)」と名付けたシステムの中核はHEMS制御盤と、制御ソフトをインストールしたタブレット端末(コントロールユニット)。太陽光発電システムや蓄電池が別メーカーでも組み合わせられる柔軟性に加え、電力だけでなくガスや水道といった生活インフラを含めた家庭内のエネルギーをトータルで管理できるのが特徴だ。メーカーの囲い込み施策によって、家中の機器が「オール●●」でないとHEMSは使えないと思われがちだが、そうとは限らないことをONKYO HEMSが証明したわけだ。

HEMS制御盤(左)とコントロールユニット

 HEMS市場への参入が、オンキヨーの業績にどれだけのインパクトをもたらすかは未知数だが、株価の上昇からは市場の期待の大きさが見て取れる。ONKYO HEMSの販売開始は2014年4月。再び爆騰するか注目したい。

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