自撮りもムービー撮影もできる水中カメラだった
DSC880DWの発売は2013年7月5日。価格はオープンプライスで、私はソフマップの通販で税込み6940円(ポイント11%付き)で購入した。
まず荷物を開けて驚いた。私は超広角に高まって買ったというのに、パッケージにはそれが一切書かれていない。製品名は「DUAL MONITOR DIGITAL CAMERA DSC 880DW」。ケンコー・トキナーのウェブにも「防水デュアルモニターデジタルカメラ」と紹介されていて、画角についての説明はない。
何なのだろうこれは。私の知らない間に「特定広角レンズ秘密保護法案」のようなものが国会を通過し、知られてはマズイ何かが撮影されるのを防ぐために、メーカーは画角の広さをアピールできなくなったのだろうか。
という冗談はさておき、ここまで売る側がアピールする方向性と、買う側の呼応が噛み合っていない製品も珍しい。何か訴求点を誤った以上のものを感じざるを得ない。
そして箱を開けて再度びっくり。このカメラには、いわゆる「自撮り」のためのフロントモニターが付いているのだ。加えて、IPX8相当の防水設計で、水深3mまで潜水可能。どうやらそこが主たるアピールポイントらしい。しかも、ついでに動画まで撮れちゃうというおまけ付き。何で買うまで気が付かなかったかと言えば、画角以外にはまったく期待していなかったからである。申し訳ない。
かつてニコンに「NIKONOS」というレンズ交換型の水中カメラシリーズがあり、「UWニッコール15mmF2.8N」「UWニッコール20mmF2.8」といった超広角レンズがラインナップされていた。ベビーデューティーなのに、結構コンパクトでオールマイティーに使える。しかも、いざとなったら水深50mまで潜れるというので、街なかでも好んで使う人達がいたのである。陸上でこのDSC880DWを使うということは、かつてのNIKONOSのような意味合いになるのだろうか?
しかし冷静に考えてみよう。失礼ながら、こんなニッチな仕様のカメラをケンコー・トキナーが自社設計するとは思えない。そこでメーカーに問い合わせたところ、やはりOEMということだった。どこが作ったものかは教えてもらえなかったが、本体裏には「Made in China」のステッカーが貼られている。あとは皆さんのご想像と検索能力にお任せしたい。