1万円台前半で買える多機能NAS
アイ・オー・データ機器「HDL-CES」シリーズ
ネットワーク上でファイルサーバーとして認識され、LANを経由してファイルのやりとりができるだけだったNASも、今は外部(LAN外)からスマートフォンでのアクセスが可能になったり、DLNAに対応してPC以外のデジタル機器(テレビやデジタルレコーダーなど)でも活用できるようになるなど、活用範囲が増えている。
今回選んだのアイ・オー・データ機器の「HDL-CES」シリーズは、今年はじめにバックアップソフトが付属になるマイナーチェンジを受け、より磨きがかかった製品。2TBタイプの「HDL-CE2.0S」ならは1万4000円くらいから購入できるため、NASを導入してひととおりの機能を使ってみたい人には容量的にも価格的にこのクラスがおすすめだ。
USB接続もサポートしているので、LAN以外からも内部HDDの情報にアクセスできる。
なお、DLNAやテレビ録画のLAN経由のムーブ先としても利用したい場合、このシリーズは対応していないので、DLNAやDTCP-IPに対応した別のNASが必要となる。
アイ・オー・データ機器「HDL-CE2.0S」
- LAN接続:10/100/1000BASE-T
- USB接続: USB 2.0/1.1
- 本体サイズ:幅45×奥行138×高さ168mm
- 重量:1.2kg
- 紹介ページ
激安ケース+バルクHDDは自分のサポート力と相談
現在、2.5インチのUSB接続のHDDケースであれば800円程度から購入でき、そこに内蔵用HDDを入れればすぐにUSB HDDとして使える。この組み合わせが価格を安く抑えられるようにみえるが、余ったHDDの有効活用ならばよいが、最初から新品を買うのはおすすめできない。
なぜなら、トラブル発生時に面倒だからだ。動作に不具合が生じた場合、原因が単体の内蔵HDDなのかケースなのか、切り分けは自分でしなければならない。
同様にNASでも自分でHDDを入れて使う組み立てキット的な製品がある。大型家電量販店でもよく見かけるが、自分でHDDを調達となると不具合発生時の原因切り分けは自分でする必要があり、その点は覚悟して導入する必要がある。
そうは言ってもHDD搭載と自分で搭載する両タイプがある機種、たとえば旧iomegaのLenovo Iomegaシリーズの価格ラインナップを見ると、自分でHDDを調達したほうが大幅に安く仕上がる可能性が高いこともある。自分の技量とよく相談して選んでほしい。
容量単価下落よりも機能面での充実と差別化が進む
HDDの価格下落と連動して価格下落が進んできた外付けHDDやNASであるが、最近では容量単価よりも機能面で充実させることで差別化が進んでいように見える。今後はその傾向がいっそう強まり、機能よって価格が決まるということが増えてくるだろう。
すでにNASについてはテレビ録画に対応するためにDLNAサーバーやDTCP-IP対応としているものが増えてきている。また、外出先からスマホで自宅のNASにアクセスし、写真や動画を閲覧するということできる機種が多くなってきた。
一方のUSB接続タイプも、DRAMキャッシュを搭載して高速アクセスを実現するものが登場するなど、やはり機能による差別化が進んでいる。
純粋に容量を追い求める人には辛い時代になるかもしれないが、バックアップやファイル活用の機能を求めている人には選ぶのが楽しくなる時代が来るのではないだろうか。
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