回答編
ダークネットはネットワーク用語ね。インターネット上で、ルーティングされているけど使われていないIPアドレス空間のこと。
使われてないアドレス空間……って、そりゃ予備とか未設定とか普通にありえるでしょう。なんでダークネットとか大仰な名前つけてるんですか?
まぁ主にセキュリティ的な観点ね。本来端末の繋がっていないアドレス空間に通信は流れないはずでしょ? ところが実際に観測してみると、そこに相当量のパケットが送られてるのよ。
!? 心霊現象!?
ではなくってサイバー攻撃の対象になってるのね。マルウェアに感染したPCが次の獲物を探してアドレススキャンしてたりする、その影響。逆に言えばダークネットに届く通信を解析していると攻撃のトレンドが分かってくるのよ。
なるほど、セキュリティ対策の材料なわけですね。だから専門の用語をつけてて分析対象にすると。……でも、なんでダーク(暗い)なんです? 未使用の状態を表すならもっと適当な単語がありそうに思うんですけど。
使用されていない光ファイバーをダークファイバーっていうでしょ? あれと同じ。光の流れていないファイバーは暗い、通信の流れていないアドレス空間は真っ暗。そういうイメージね。
なるほど。
ただダークファイバーの対義語はライト(明るい)ファイバーだけど、ダークネットの対義語はライブ(生きている)ネットなのよね。微妙に命名基準が一貫してなくていらいらするわ。きちんとどっちかに揃えてほしいんだけど。
まぁまぁ、ライトネットとか言っちゃうとなんか『正しい(right)ネット』みたいですし『光(light)のネット』も微妙に宗教がかってますから、いいんじゃないですか? ライブネットで。
ライブの反対語でデッドネットとか命名されるのも微妙だしね。……ちなみに、ダークネットの観測結果を利用した警告システムもあって、NICT(情報通信研究機構)のDAEDALUSなんかよく知られてるわね。
ダイダロス! 格好いい!
というわけで変な憑依プレイとかしなくても普通にクールな用語なのよ。分かったらもう少し真っ当な中二的活用を心がけて……って、ちょっと、桜坂?
くくっ……桜坂、奴は今眠っている。
………。
余はダークネットより出でしラビュリントスの王、ダイダロス! 我が神話的波動の前には貴様のドライバーなどものの役にも--。
(ぷすっ)。
(ギャー)
【解説】
ダークネット:
インターネット上で使われていないIPアドレス空間のこと。アドレススキャンなどのパケットを観測することでサイバー攻撃の徴候・トレンドを観測できる。対義語はライブネット。
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