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Apple Geeks 第132回

「iPhone/iPadでハイレゾ」の時代が到来!

2013年11月28日 11時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobu

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「ONKYO HF Player」でDSDネイティブ再生

 デジタル出力対応のiPhoneとiOS 7、iPad Camera Connection Kit(またはLightning - USBカメラアダプタ)を用意したあとは、オーディオプレイヤーアプリの選定だ。FLACをサポートしたiOSアプリはいくつかあるが、DSD対応となるとごくわずかで、あったとしてもPCMにダウンコンバートするものばかり。ハイレゾ音源フル対応を目指すのならば、「DSDネイティブ再生」は外せないところだ(ハイレゾ音源は「e-onkyo music」などで入手可能)。

 その条件をクリアするアプリが、10月にオンキヨーからリリースされた「ONKYO HF Player」。アプリ本体は無償でiTunesライブラリを再生できるなどオーディオプレイヤーとしての基本機能を提供するに過ぎないが、アドオン「HD プレーヤーパック(HD Player Pack)」(1000円)を購入するとハイレゾ音源対応に進化、24bit/192kHzまでのFLACとWAV、5.6MHzまでのDSD音源が再生可能になる。

「ONKYO HF Player」でハイレゾ音源を再生する場合は、アドオン「HD プレーヤーパック(HD Player Pack)」(1000円)が必要

 このアプリの目玉は、なんといってもDSDのネイティブ再生に対応したことだ。DSDのネイティブ再生には「ASIO」と「DoP(DSD over PCM)」の2方式があり、ONKYO HF Playerが対応するのはDoP方式のみだが、同方式に対応したUSB DACを用意すればダウンコンバートなしにDSD本来の音を楽しめる。

再生フォーマットには「DSD 2.82MHz」、出力先には「Portable Headphone Amplifier」(PHA-2のデバイス名)と表示され、ハイレゾ音源を再生していることが分かる

設定画面ではアップサンプリングのオン/オフ、DSDの出力形式の変更などを行なえる

DSDの出力方式に「DoP」を選択すると、着信があった場合などノイズが発生することがあるため、マナーモードに設定することが推奨されている

 筆者がUSB DACとして利用した製品は、10月にSONYから発売されたポータブルヘッドホンアンプ「PHA-2」。DSDの再生はASIOとDoPの両方式に対応、DoPモード時は2.8MHzまでながらネイティブ再生もサポートしている。バッテリー内蔵に加えてサイズ/デザイン的にもiPhoneとマッチする本機は、ポータブルなハイレゾ再生環境としてちょうどいい。

 再生していないときにスリープするとUSB DACをつなぎ直さなければならないとか、iPad Camera Connection Kitの接続に無理がある(Lightningコネクタがしっかりホールドしない)とか、文句を言い出すとキリがないが、自分の好きな音楽をよりよい音で楽しめることは他に代えがたい。市販のハイレゾ音源はまだまだ少ないが、FLAC 96kHz/24bitあたりを再エンコードなしにiPhoneで再生できることだけをとっても、iPhoneを軸としたハイレゾ環境は利用価値がある。

ONKYO HF Player App
価格無料(アプリ内課金) 作者ONKYO CORPORATION
バージョン1.0.6 ファイル容量16.8 MB
対応デバイスiPhone/iPod touch/iPad 対応OSiOS 6以降
ソニーストア

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