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利用者の囲い込みはもう古い?相次ぐ巨人の方向転換

2013年11月28日 07時00分更新

文● 石山俊浩(ISHIYAMA Toshihiro)/アスキークラウド編集部

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 NTTドコモの「しゃべってコンシェル」は、アンドロイド用の音声認識&ガイダンスアプリ。CMでたびたびフィーチャーするなど、他通信キャリアとの差別化ポイントとして位置付けられていたはずだが、ドコモがiPhoneを取り扱うようになった途端iOSにも対応。AppStoreで無償公開を始めたため、ドコモに限らず、ソフトバンクやauのiPhoneでも使えるようになった。通信キャリアを問わずiPhone利用者をドコモのサービスに取り込む狙いだろうが、現時点ではアプリの機能は限定的。他キャリアの利用者がdocomo IDを取得しても「dゲーム」と「ショッぷらっと」しか利用できず、まだまだこれからの印象だ。デバイスやキャリアをフリーにする戦略が吉と出るか凶と出るかは、これからにかかっている。少なくとも今のままではSiriとの比較ぐらいにしか使われないだろう。今後に期待したい。

iOS版しゃべってコンシェルアプリ

ソフトバンクのiPhoneでドコモのアプリに質問したら……

 NECも、2013年の秋冬モデルにプリインストールされた情報収集アプリ「My Time Line」(マイタイムライン)を他社製パソコンにも公開した。Windows 8.1利用者はWindowsストアから無償でダウンロードできる。ネット上のニュースを自動で収集し、利用者の閲覧履歴を学習しながら表示するコンテンツのジャンルが入れ替わる。使えば使うほど自動的に「自分好みのニュースが集まる」ので、どんどん手放せなくなるアプリだ。

 利用者を自社に囲い込むためのオリジナルアプリを社外にも公開するのは、本業が厳しいことの証。iPhoneの取り扱いを始めても契約数の純減が続くドコモと、パソコン販売で苦戦するNEC。そろって似た戦略を取り始めたのは興味深い。

自分好みのニュースを自動収集してくれるMy Time Line

学習型のニュース自動収集アプリは激戦区

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