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契約期間内、一定数までインク使い放題の「インク定額パック」も!

HP、70枚/分の極速インクジェットでレーザーの壁に挑む!?

2013年11月19日 22時00分更新

文● 貝塚怜/ASCII.jp編集部

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オフィス向けA4インクジェットプリンター「HP Officejet Pro X」シリーズ

 日本ヒューレット・パッカードは11月12日、都内で新製品発表会を開催。オフィス向けA4インクジェットプリンター「HP Officejet Pro X」シリーズを発表した。

 ラインアップは、A4カラー印刷速度が公称70枚/分の複合機「HP Officejet Pro X576dw」およびプリンター「HP Officejet Pro X551dw」、公称55枚/分の複合機「HP Officejet Pro X476dw」およびプリンター「HP Officejet Pro X451dw」の4製品。X551dwは、オフィス用据え置き型プリンターとして、世界最速をうたうモデル。希望小売価格は、X576dwが9万7125円、X551dwが7万3500円、X476dwが8万6625円、X451dwが6万1950円。

X551dwは、オフィス用据え置き型プリンターとして、世界最速をうたうモデル。「オフィス用デスクトッププリンターによる500ページ最速印刷」でギネスに認定されている

70枚/分という速さをどう実現したか?

 ギネス認定済み(オフィス用デスクトッププリンターによる500ページ最速印刷)という速さには、「ページ幅インクジェットプリントヘッド」が大きくかかわっている。

 一般的なインクジェットプリンターは、プリントヘッドがページの端から端まで移動して、紙にインクを吹き付けていく。プリントヘッドが移動する時間がかかる分、トナーをローラーで転写するレーザープリンターと比べて、プリントに時間がかかる機種が多かったのが実情だ。「インクジェットはレーザーより遅い」という印象もいまだ根強く残っている。(昨今ではレーザーに匹敵する、あるいはレーザーより速いモデルも登場している)

 ページ幅インクジェットプリントヘッドは、A4用紙のページ幅と同等の長さを持つ。つまり、「上下+左右」の動きが必要だったこれまでのプリントヘッドと異なり、「上下」の動きだけでプリントできる。このプリントヘッドと、4万2240個のノズル、10億ビット/秒のデータ転送量の組み合わせで70枚/分という速さを実現した。動きが減った分、一般的なインクジェットプリンターと比べて静音性能も高い。

 ノズル部分には、「自動ノズルテスト」機能および「ノズル代替システム」が盛り込まれた。自動ノズルテストは、アイドル時に光学センサーを利用してノズルのつまりがないかどうか確認する機能で、ノズル代替システムは、ノズルがつまった際に隣接したノズルがつまったノズルの分を補完する機能だ。この2つにより、「よほどのことがなければ、プリンターの寿命までヘッドを交換する必要がない」のだという。

 顔料インクも新たに開発した。極薄の顔料層で「シャープで明瞭な文字」を実現し、「紙の上で均一に広がる」性質を持つほか、速乾性に優れ、排出される間に印刷面がおおむね乾いてしまうとしている。耐水性にも優れ、水などをこぼしたり、マーカーを引いたりしてもにじみにくいのが特徴。「世界中の様々な気候下」で、「様々な用紙に対して」高い品質で印刷することを目標に、開発したのだという。

 また、本体と合わせて、保守サービスとインクをセットにした「インク定額パック」も発表。契約期間中は同社の定める範囲でインクの追加注文に追加料金がかからなくなるほか、本体保証が付帯され、故障時の無償サポートも含まれる。タイプは「1年ライトパック(12万6000円/上限10本)」「1年定額パック(22万500円/上限18本)」「2年定額パック(41万1600円/上限36本)」「3年定額パック(58万5900円/上限54本)」の4種類。(1/2/3年定額パックはX576dwおよびX551dwのみ加入できる。)推奨月間印刷枚数は、X576dwおよびX551dwが4200枚、X476dwおよびX451dwが2000枚。

 定額パックを利用した場合、ランニングコストは一般的なレーザープリンターと比べて約半分まで抑えられるという。提供本数上限を超えた分は、通常価格での購入となる。HP Directでの販売価格は黒が1万4070円、シアン、マゼンダ、イエローが各1万3965円。

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