広色域再現に4倍速パネルのなめらかさ
ソニー「W900A」シリーズ
東芝、シャープと意欲的なモデルが登場してきたが、もちろん、そのほかのメーカーのフルHDテレビも熟成度は高く、4Kにはない画質的な特徴も備えている。
まず、ソニーの「KDL-46W900A」は、4Kテレビと同じく「トリルミナスディスプレイ」技術を採用し、広色域再現を実現したモデル。
そのうえで4倍速パネルを採用し、バックライトのスキャニングを組み合わせることで残像感を大幅に低減する「モーションフローXR960」で動画の鮮明さを一層高めている。
もちろん、映像処理も独自のデーターベース型超解像技術が盛り込まれた「X-Reality PRO」により、自然でリアルな映像表現を追求している。
今春発売モデルのため、新鮮味は足りないが、実力の点では今でもフルHDではトップクラスにあるし、価格がこなれているぶんだけ、お買い得度も高まっている。
最後のプラズマテレビになる!?
パナソニック「VT60」シリーズ
パナソニックは液晶テレビでも実力の高いモデルを発売しているが、ここではプラズマテレビのプレミアムモデルとなる「VT60」シリーズをおすすめしたい。
液晶に比べて消費電力が大きく、画面の明るさが及ばなかったこともあり、液晶テレビとの競争に敗れ、ついにパナソニックも撤退を決めたプラズマだが、画質的な優位性は今でも十分にある。
自発光デバイスならではの視野角フリー、高コントラストと豊かな色再現性は、映画好きの間では今でも高く評価されている。
しかも、VT60シリーズは、最新世代の「フル・ブラックパネルIVプラス」を搭載。高速な動画応答性や、純赤蛍光体を採用したことでデジタルシネマ色域98%をカバーする広色域の実現など、さらに実力を高めている。
プラズマが苦手としていた階調表現についても、映画モード時にはより滑らかな階調表現を行なえるようにするなど、たゆまぬ進化を続け、優れた画質となっている。
メーカーが撤退したを表明している製品を買うというのは、抵抗を感じる人も少なくないと思うが、テレビの場合、かつてのレコーダー戦争やBD戦争のようにソフトが供給されなくなるというわけではない。
プラズマテレビはこれから買っても地デジやBDソフトは問題なく再生できるし、チューナー側でダウンコンバートすれば4K放送も楽しめる。製品のアフターサービスもパナソニックが責任を持って行なうだろう。フルHD液晶テレビを買うのと何も変わらないので、その点は安心してほしい。
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