インディーズ系ゲーム開発者には興味深いトレンド
Microsoftが撤退を決め、大手ベンダーらの対応も限定的な状況で、新プラットフォームにおけるXNAならびにMonoGameの果たす役割は少ないだろう。だが、クロスプラットフォームとして整備された数々のツールやランタイム環境は、体力の少ないインディーズ系ゲーム開発者にとっては新たなフィールドとなる可能性を秘めている。
「MonoXNA」と「Silver Sprite」というふたつのプロジェクトが合体してスタートしたMonoGameだが、現在ではXNA 4.x Frameworkをサポートし、安定版としてバージョン3.0.1が今年2013年3月にリリースされている。MicrosoftによるXNAの進化が止まった今後においても、MonoGameは引き続き強化されていくだろう。
前述のように、MonoGameはサポートするプラットフォームが広い点が大きな特徴となっており、Windows、Windows Phoneのほか、OS XとLinux、そしてモバイルOSとしてiOSやAndroidをサポートする。「PlayStation Mobile」については、もともとMonoをベースとしていることからサポート範囲に入っており、最近登場して話題になったAndroidベースの低価格ゲームコンソール「OUYA」(ウーヤー)もXamarin.Androidベースでサポートされている。
またSiliconeraが報じたように、任天堂がWii UへのMonoGame導入を考えているという噂のほか、MonoGame自身がPS4への早期移植を表明している。またXNA自体は「Xbox One」での利用も可能とみられるため、最適化を考えなければXNAならびにMonoGameは引き続き有効だろう。XNAが直接サポートしないWindows 8についても、MonoGameでは何らかの形でサポートが行なわれていくとみられる。
MonoGameを利用したゲームは、「Skulls of the Shogun」「Fez」などが同サイトの中で紹介されているが、今後もこうしたテイストを持つ独立系プログラマーや中小開発者によるインディーズ系ゲームが数多くリリースされることになるだろう。
特にクロスプラットフォーム開発から実際のアプリストア登録によるゲーム配布までを想定していることもあり、今後はモバイルOSのアプリストアだけでなく、Windows Store、そしてPS4やXbox Oneといった次世代ゲームコンソールでのオンライン経由のゲーム配信でも一定の存在感を見せることになるかもしれない。
「XNAは死んだ」といわれる一方、オープンソース・コミュニティがそのフレームワーク跡地を利用することでインディーズ系ゲームが盛り上がるという構図は面白そうだ。