消費電力もチェックしてみよう。「Watts Up? PRO」を使い、「3DMark」の「Fire Strike」デモ中における消費電力の安定値を計測している。
SP数と動作クロックの増加は消費電力に一番効く要素。ワットパフォーマンスに優れるKeplerアーキテクチャーとはいえ、2800基以上のSPを抱えていて今までより消費電力が小さくなるわけでもない。ここでも290Xをさらに上回る消費電力330Wを記録した。
もちろんファンノイズも増えている。GTX780Tiの動作音はアイドル時35.7dBAに対し高負荷時44dBA(暗騒音34.3dBA)。数値的には大して大きくないが、ファンの回転音は確実にGTX780などより目立つようになった。ただ290や290Xのファンノイズに比べれば、ずっと小さく静音化もしやすい。
性能はもとより価格破壊効果にも注目
CUDAコアを山盛りにしたGTX780Tiの性能はライバルの290XはもとよりGTX TITANをも見事越えてきた。スペックアップにともなう消費電力の増加や搭載メモリーが3GBと少ないなどの不満点はあるが、性能増加のインパクトを損なうものではない。ついに発売された「BattleField 4」を最高の環境で楽しみたい人にとっては、最高の1枚となることは間違いない。
ただ残念なのは、GTX780Tiの投入により、既存のGTX TITANやGTX780搭載カードが一気に陳腐化してしまったことだ。静音・強冷却仕様のオーバークロック版GTX780でさえも、10月27日の価格改定以降値崩れが発生している。ショップ関係者や既存のGTX780/TITANユーザの心中を察するに余りある、といったところだ。
しかしRadeon R9や今回のGTX780Tiの登場によって価格改定が起こり、その結果として最近のアッパーミドル~ハイエンドGPUの問題であった“高すぎる価格設定”が良い方向に是正された点は多いに評価したい。GTX780Tiは、性能面でもGPU市場における価格破壊の起爆剤となった点でも、高く評価すべきGPUといえるだろう。
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