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超広角のビデオカム「HDR-MV1」は音楽家の必須アイテムに!?

2013年11月03日 12時00分更新

文● 四本淑三

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スマホやビデオレコーダーとの違いはマイクの耐入力

 実戦投入の前に、今までの製品と比べてどう違うか、HDR-MV1のありがたみを確認しておきましょう。

 まず「バンドなんてスマホで撮ればいいじゃん。動画ならデジカメだって撮れるでしょ」と、申される方がおられます。ですがバンドは音はでかい。でか過ぎて音が歪んでしまうんですね。観客が撮影した、観てもいいのか悪いのかよく分からないようなライブ映像をYouTubeで見かけますが、あれは大抵音が歪みまくっています。

 「じゃあ録音レベルを下げればいいじゃない」と申される方がおられます。それは無理なんです。スマホやデジカメのマイクは、物理的に耐音圧性能が足りない。だから録音レベルを下げても無駄。そもそもスマホやデジカメの動画機能に、録音レベルの設定なんかほどんどない。

 で、マイクがどれくらいの音圧に耐えるかは「dB SPL(Sound Pressure Level=音圧レベル)」でスペックに示されています。

カール・ツァイスのテッサーだ! などとレンズに目を奪われがちですが、やはりリニアPCMレコーダーはマイクが命。X-Y方式のステレオマイクが付いております。でもビデオカメラなので撮影中は赤いLEDが点灯するのです。

 地下鉄の車内が80dBとか、パチンコ屋の店内が大体90dBくらいなどと言われております。PAスピーカーからの距離にもよりますが、音のでかいロックバンドのライブなら110dBにも達するそうです。120dBが人間の可聴限界と言われておりまして、これを超えると耳にダメージを被るのでヤバいです。

 HDR-MV1の最大入力音圧は「120dB SPL」と明記されています。人間の可聴限界まで耐えられるわけです。ギネスの新記録を狙うような特殊なバンドを除けば、だいたい問題なく録れるでしょう。

アドバンテージは超広角レンズとWi-Fi

 似たような機能を持つライバル機種もあります。主なところではオリンパスの「LS-20M」とZOOMの「Q3HD」。どちらも96kHz/24bitで録れるハイレゾビデオレコーダーです。HDR-MV1は48kHz/16bitですから、記録解像度では負けています。

 最近であれば、iPhone用の外付けステレオマイクを付けて、iPhone内蔵のカメラでビデオを撮る方法もあります。ただし、iPhoneをビデオ撮影のため横に持つと、マイクも横を向き、左右ステレオペアのマイクは上下に並んでしまって、正しくステレオで録れません。その問題を解決するため、ZOOMの「iQ5」のように、マイクが回転する製品も出ています。いい時代です。

 そうした状況におけるHDR-MV1のアドバンテージは2つ。ひとつは超広角レンズが使えること。

 LS-20Mは49mm(アスペクトレシオ16:9、35mmフィルム換算値)の単焦点。Q3HDの焦点距離はスペックに掲載されていませんが、35mmカメラで言えばやはり標準レンズ的な画角です。iPhone 5sは35mmフィルム換算で30mm程度と言われています。狭いリハスタではメンバー全員を写すのはちょっと難しい。

 そこへ行くとHDR-MV1は、35mmフィルム換算で18.2mmの焦点距離(1/2.3型イメージセンサに対してレンズの焦点距離2.5mm)、120度というワイドな画角。狭いリハスタでもメンバーが見切れず撮れるわけです。

 もうひとつはモニター。この手のレコーダーは置きっ放しで撮るため、REC中は画像のモニターができません。でもHDR-MV1はWi-FiでスマートフォンやタブレットPCと接続すると、手元の画面でリアルタイムに映像をモニターできる。

  おお、なんと画期的な製品でしょうか。と、いいところは確認できましたのでリハスタへ向かいましょう。

Android/iOS用の無料アプリ「PlayMemories Mobile」を使ってHDR-MV1に接続すると、撮影中の画像をモニターしながら録画/録音の選択、RECオン/オフの操作ができます(画像はパソコン液晶画面の再撮映像です)。NFC対応のAndroidスマートフォンならワンタッチで接続可。NFCのないiPhoneは「設定>Wi-Fi」で「HDR-MV1」のSSIDを捕まえ、カメラ側のモニターに表示されているパスワードを手動で入力。SSIDとパスワードは、リセットする度にカメラ側でランダムに生成される仕組みです

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