スマホやビデオレコーダーとの違いはマイクの耐入力
実戦投入の前に、今までの製品と比べてどう違うか、HDR-MV1のありがたみを確認しておきましょう。
まず「バンドなんてスマホで撮ればいいじゃん。動画ならデジカメだって撮れるでしょ」と、申される方がおられます。ですがバンドは音はでかい。でか過ぎて音が歪んでしまうんですね。観客が撮影した、観てもいいのか悪いのかよく分からないようなライブ映像をYouTubeで見かけますが、あれは大抵音が歪みまくっています。
「じゃあ録音レベルを下げればいいじゃない」と申される方がおられます。それは無理なんです。スマホやデジカメのマイクは、物理的に耐音圧性能が足りない。だから録音レベルを下げても無駄。そもそもスマホやデジカメの動画機能に、録音レベルの設定なんかほどんどない。
で、マイクがどれくらいの音圧に耐えるかは「dB SPL(Sound Pressure Level=音圧レベル)」でスペックに示されています。
地下鉄の車内が80dBとか、パチンコ屋の店内が大体90dBくらいなどと言われております。PAスピーカーからの距離にもよりますが、音のでかいロックバンドのライブなら110dBにも達するそうです。120dBが人間の可聴限界と言われておりまして、これを超えると耳にダメージを被るのでヤバいです。
HDR-MV1の最大入力音圧は「120dB SPL」と明記されています。人間の可聴限界まで耐えられるわけです。ギネスの新記録を狙うような特殊なバンドを除けば、だいたい問題なく録れるでしょう。
アドバンテージは超広角レンズとWi-Fi
似たような機能を持つライバル機種もあります。主なところではオリンパスの「LS-20M」とZOOMの「Q3HD」。どちらも96kHz/24bitで録れるハイレゾビデオレコーダーです。HDR-MV1は48kHz/16bitですから、記録解像度では負けています。
最近であれば、iPhone用の外付けステレオマイクを付けて、iPhone内蔵のカメラでビデオを撮る方法もあります。ただし、iPhoneをビデオ撮影のため横に持つと、マイクも横を向き、左右ステレオペアのマイクは上下に並んでしまって、正しくステレオで録れません。その問題を解決するため、ZOOMの「iQ5」のように、マイクが回転する製品も出ています。いい時代です。
そうした状況におけるHDR-MV1のアドバンテージは2つ。ひとつは超広角レンズが使えること。
LS-20Mは49mm(アスペクトレシオ16:9、35mmフィルム換算値)の単焦点。Q3HDの焦点距離はスペックに掲載されていませんが、35mmカメラで言えばやはり標準レンズ的な画角です。iPhone 5sは35mmフィルム換算で30mm程度と言われています。狭いリハスタではメンバー全員を写すのはちょっと難しい。
そこへ行くとHDR-MV1は、35mmフィルム換算で18.2mmの焦点距離(1/2.3型イメージセンサに対してレンズの焦点距離2.5mm)、120度というワイドな画角。狭いリハスタでもメンバーが見切れず撮れるわけです。
もうひとつはモニター。この手のレコーダーは置きっ放しで撮るため、REC中は画像のモニターができません。でもHDR-MV1はWi-FiでスマートフォンやタブレットPCと接続すると、手元の画面でリアルタイムに映像をモニターできる。
おお、なんと画期的な製品でしょうか。と、いいところは確認できましたのでリハスタへ向かいましょう。