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長~く使える極上のPCケース2013 第3回

長~く使える極上のPCケース2013【SliverStone/NZXT編】

2013年11月03日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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ドライブの固定方法と
冷却システムをチェック

 それでは内部構造をチェックしよう。本製品はドライブの固定と、倒立構造をサポートするための支持機構に大きな特徴がある。

 ドライブは底面と前面ファンのすぐ後ろにあるシャドウベイに接続できる。前面のシャドウベイは冷却面では安心できるがマザー(特にメインパワーケーブル)と干渉しやすく少々使いにくい。

 一方、底面のベイはSSDがメインの現在では少々使いにくい。コンパクト化するためには仕方のない部分だが、もう少しSSDユーザーのことを考えてほしかったところだ。

前面側のシャドウベイ。内側に防振用のゴムが張られている点に注目。最大5基のHDDを格納可能だ

SSDはこのように底面に直接固定する。固定するにはケースの下側からネジを入れる必要があるため、作業性はお世辞にもよくない。あまり着脱する機会の少ないパーツとはいえ、もう少々利便性の良い場所にしてほしかった

HDDの数が少ないなら、底面に3.5インチのシャドウベイを取り付けた方が使い勝手はよい。手前にヒモが出ているが、これを引っ張るとドライブが抜けるようになっている

天井付近にあるこのパーツは、拡張カードの脱落防止用。これもカードの自重や移動時の衝撃によるトラブルを未然に防ぐための装備だ

底面のシャドウベイの上にはこんなパーツが付いているが、これはCPUクーラーを下から支えるためのパーツ。移動時の振動でマザーを傷めないよう、ここで衝撃を吸収できるのだ

 標準搭載のケースファンは前面の180mmファン2基のみ。背面は120mm用の穴が空いているが、ファンは搭載されていない。少々心もとないように見えるが、これはSilverStoneお家芸の正圧設計を正しく反映されたもの。前面の吸気ファンの力でケース内の気圧を高くし、あらゆる隙間から空気を流出させることでホコリの侵入を防ぐためだ。

マザーボードを組み込んだ様子。全長約337mmまでの拡張カードに対応する

 ちなみに前面のファンは120mm×3の構成に変更することも可能。さらにシャドウベイを取り外せば、水冷のラジエーターユニットも格納可能なので、見た目の割にパーツ選択の幅は広い。

5インチベイの下には前面ファン専用のファンコンを配置。上下の回転数をそれぞれ600/900/1200rpmの3段階に調整できる

電源は天井のパネルを外して上から挿入する。古典的なATXケースでは電源腹部のファンはCPU側に向けるのが正解だが、正圧設計の本製品の場合、ファンは上向きにするのが正解。そのため天井部分にはダストフィルターが設置されている

 最後にちょっと気になったのがパワースイッチなどの内部配線についてだ。電源のメインパワーケーブルがドライブベイに干渉しやすいことは先に述べたが、それ以上にケース付属の細々としたケーブルが長すぎる上にコシが強く、組む際にしっかりとまとめないとあっと言う間にケーブル地獄になってしまう。ケーブルの長さや質も含め改善してほしいところだ。

適当に組んだ状態だとケーブルはこんな感じに暴れ回る。これらのケーブルをキレイにまとめるには結構ホネの折れる作業だ

動作時の温度をチェック!

 最後に動作時の温度をチェックしてみよう。冒頭で解説した通り、ファンコン速度は最低速にセットしている。

各部の温度(単位:℃)

 CPUとGPUでまったく違う傾向を見せた。CPUの温度に関してはバラックより低くなったが、これは今回紹介する8製品中最低値を記録している。これに対しGPU温度は最も高い値を示した。2基のファンでここまで差が出るのは謎だが、ビデオカードを使う場合は上側のファンを少し速めにするなどの工夫が必要かもしれない。

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