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長~く使える極上のPCケース2013 第4回

長~く使える極上のPCケース2013【Abee/Lian-Li編】

2013年11月04日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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電源内蔵&ストレージガン積み仕様

 PC-V750の真の見どころは(背面からの写真で一発で判るが)、電源ユニットを本体前部に内蔵することで、E-ATX/XL-ATX対応ケースにありがちな縦方向への大型化を回避した、という点だ

右下の大きく空いたスペースに電源ユニットが入る。電源ユニットの熱気は底面から前面に抜けるので、熱気を前面ファンがそのまま吸い込まないか心配になるが、今主流の高効率電源ユニットの発熱を考えれば、あまり気にする必要はなさそうだ

パーツを実際に組み込んだ状態。ビデオカードは最大380mmの超大型のものまで格納できる。大型マザー対応なので作業スペースが広く、パーツ干渉を考えなくていい点はグッド。最下段の2スロットを使う場合は、底面のシャドウベイ2基は使えなくなる

 第2回で紹介した「Phantom 820」のように高さ600mm以上のバカでかいケースは机の下に置きにくいが、本製品のように400mm台なら置けるシチュエーションも増えてくる。ただし奥行きは結構あるので、置き場所を選びやすい点には変わりはない。

PC-V750の前面裏側スペースの大半は3.5インチシャドウベイで占められている。ここに専用の防振ゴム付きビスを付けたHDDをザクザクと挿していけるのだ。2.5インチドライブを装着するための変換プレートは3枚付属している

3.5インチシャドウベイの裏側。SATA2ポートにつき1本ずつペリフェラル4ピンの電源ケーブルを接続するのが煩わしいが、サーバー的な運用をしたい人にとっては非常に便利な装備といえる

これがHDDに装着する防振ゴム付きのネジ。これを4ヶ所に装着すれば、ベイのレールに収まるようになっている

 電源が前面配置である点は特に組み立て上問題はないのだが、電源ユニットの選択に少々制約が出てくる点に注意したい。本製品の電源ケーブルはケース背面のコネクターから中を通り前面に引き回されているが、ケース内部の電源コネクタは一般的な台形の3極ソケットだ。

 しかし、大出力の電源ユニットの中には、コネクターが四角形になっているものがある(例:オウルテック「AU-850PRO」など)が、こうした電源ユニットは利用できないのだ。電源ユニット側のコネクター部が外側に寄りすぎていてもフレームと干渉して固定できないなど、電源ユニットが思わぬ落とし穴になりやすい。ここの部分だけは十分注意しておこう。

 また、前面パネル側の3.5インチシャドウベイは6基すべてにSATAのコネクターが装着されており、ドライブを抜差しするだけで利用できる点にも注目だ。

大型の拡張カードを装着した時は強度確保のためににケース内にアルミ製ステーを設置するとよいだろう。黒くて見づらいが、拡張カードとの間にプラスチック製のアームを挟むことで、脱落を防止する

動作時の熱をチェック!

 では動作時の熱をチェックしてみよう。本製品には吸気・排気ファン合計で5基搭載されているが、側面ファンが存在しない分冷却にどう影響するかが見どころだ。

各部の温度(単位:℃)

 アイドル時のチップセット温度が高めに出たが、CPUやGPUはバラック時とほとんど変化していない。CPU周辺エリアは排気ファンが多く、なおかつCPUを貫くように前面ファンが配置されているためと思われる。水冷のラジエーターが配置しにくいのが残念だが、こと空冷に限定すれば、PC-V750はかなり優秀な製品といえるだろう。

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