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“2つの便利”がクラウドであわさって、さらに便利に

会計ソフト「freee」がユビレジのiPad POSシステムと連携

2013年10月11日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月10日、freeeは同社のクラウド型会計ソフト「freee」とユビレジのiPad POSシステム「ユビレジ」との連携を発表した。両社長が登壇した発表会は、freeeとユビレジのユーザーである渋谷のカフェ「Factory」で行なわれた。

自動化を推進する両者の製品・サービス

 freeeは「全自動」を謳う中小企業や個人事業主向けのクラウド型会計ソフト。銀行やカード会社のWeb明細から入出力明細を取得し、自動的に会計帳簿に変換するので、ユーザーは基本的に承認を押すだけで済む。簿記の知識がなくても利用できるこの簡単さがSNS上で大きな評判となり、今年3月のリリースからわずか6ヶ月で1万を超える事業者が登録する人気の業務アプリになった。今回は、このfreeeとiPadを用いたPOSシステム「ユビレジ」(ユビレジ製)との連携が発表された。

全自動会計ソフト「freee」とiPad POSシステム「ユビレジ」

 ユビレジは、専用アプリを導入することで、iPadをPOSレジとして利用できるサービス。あらかじめアプリにメニューを登録しておくことで、通常のPOSレジ端末と同じように会計処理ができ、売り上げデータはユビレジのクラウドに自動的にアップデート。Webブラウザ上からリアルタイムに売り上げや購買履歴を管理できる。また、エクステンションを用いることで、レシートプリンターやドロア、バーコードリーダーなどの周辺機器とも連携可能。既存のPOSレジ端末やPOSシステムに比べ、初期コストは97%削減で、利用は即日からOK。こうした便利さが評価され、こちらも累積で6000アカウントという導入実績を実現している。

プリンタやドロワーなどさまざまな周辺機器との連携が可能なユビレジ

クラウドだからできたスピーディな連携

 今回発表された両者の連携により、ユビレジの売り上げ日次データを複式簿記に対応した仕訳としてfreeeに取り込むことが可能になった。具体的にはfreee側からAPIを介してユビレジのデータを取得し、自動的にデータを同期する。現金売り上げ・カード売り上げのいずれにも対応するという。登壇したfreee代表取締役の佐々木大輔氏は、「今まで銀行やカード支払いの取り込みに対応していたが、現金もなんとかできないかと言われていた」と述べ、現金の決済データをfreeeに盛り込む意義を強調した。

 最大のメリットは、コストと時間の節約。これまでの紙ベースの店舗の経理では1日の売り上げデータをレジから出力し、出力したデータをまとめ、伝票に記載するという作業が必要だった。しかし、これだと手間と時間がかかるほか、ミスも多くなる。そしてなによりPOSシステムは高価。佐々木氏は、「美容院の実家に戻ったら、100万円もするPOSレジ端末を買わされていた。Windows XPベースで機能も簡素。サポートもあまりよくなかった」と述べ、ユビレジのようなシステムに共感を覚えたという。今後、ユビレジとFreeeを組み合わせることで、こうした手間はなくなり、「飲食店や理容店などの経理の自動化が大幅に推進される」(佐々木氏)という。

freee代表取締役 佐々木大輔氏、ユビレジ代表取締役社長 木戸啓太氏

 続いてコメントしたユビレジ代表取締役社長の木戸啓太氏は、両者ともサービスがクラウド化されているため、きわめて短い期間で連携が実現したと説明。「お客様はPOSシステムに関する問題意識も持っているが、その先にある決算や会計についても心配している」と述べ、両者の連携が店舗経営を行なっているユーザーのニーズにフィットしている点をアピールした。今後、オーダーエントリーシステムや在庫管理など、他の業務アプリとのデータ連携も進めていくと説明した。

 ユビレジの利用料は1店舗5000円で、初期コストとしてiPadや各種ハードウェアのコストがかかる。ただし、直近3日分の売り上げデータ閲覧に関してはコストはかからない。一方、freeeは980円/月の個人事業者プランと1980円/月の法人プランが用意されているが、3ヶ月のみデータを保持する無料プランも用意されている。共同プロモーションも同日から2ヶ月間実施され、両社のユーザーはそれぞれ利用料金の優待が受けられる。

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